最新の放射線治療システムや陰圧手術室を設置、四日市の三重県立総合医療センターで放射線治療棟が完成

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【最新の放射線治療システムの説明を聞く出席者たち=四日市市日永】

 三重県四日市市の県立総合医療センターに最新機器を備えた放射線治療棟ができ、2月4日、完成披露式があった。ピンポイント照射が得意な放射線治療システムのほか、三泗地域では初めてとなる陰圧手術室、「ダビンチ」によるロボット手術ができる手術室も備えている。

 完成披露式には一見勝之知事、三重大学副理事兼副学長で大学院医学系研究科の佐久間肇教授、四日市医師会の山中賢治会長を含む20余人が出席。総合医療センターの新保秀人理事長兼院長が「放射線治療機器の更新は半年かかることもあり、新たにつくることにした。手術件数は増える傾向で、手術室を2室、そのうち1室を新感染症にも対応できる陰圧手術室にした。地域のみなさんのお役に立てるようがんばりたい」などとあいさつした。

テープカットに臨む一見勝之知事(中央)ら

 テープカットのあと、一見知事や来賓らが施設内を見学した。1階に今回導入された放射線治療システムは、米国Varian社製の「True Beam Edge」と呼ばれ、三重県では初の導入となる。主にがん治療に使うが、やけどのケロイドや甲状腺眼症、脳動静脈奇形などの疾患に用いることもできるという。

 最大の特徴は、定位照射(いわゆるピンポイント照射)が得意なことで、県内初の脳定位放射線治療専用のソフトウエアを導入し、がんの脳転移に対して短時間で高精度の治療が可能になったという。

 また、温度(熱分布)で照射位置を合わせられるシステムをこの機種では国内3例目として導入しており、さらに正確で安全な放射線治療が可能になったという。治療計画用のCTを撮影したデータをコンピューターに取り込むことで、放射線を当てる位置を正確に割り出す時間も早くなり、来院から治療までの時間も極力、患者を待たせないようにできるという。

放射線治療システムの説明を聞く一見知事(右)

 2階の陰圧手術室は、室内の気圧を外部より低く設定できることで、新型コロナのような感染症の拡大を防ぎながら妊婦の帝王切開や、感染者の負傷事故などの緊急手術ができる。「ダビンチ」を常設できるもうひとつの手術室を加え、総合医療センターの手術室は計10室に増強された。

感染症への備えができる陰圧手術室

 見学を終えた一見知事は「総合医療センターは北勢地域の医療のかなめで、ここにこれらの設備が整い、県外の医師も研修に来て勉強もできる。きっと頼りになる存在になってくれるだろう」などと感想を話した。

 センターによると、放射線治療棟は延床面積が約710平方メートル、建築面積が約470平方メートル。建物が約8億6000万円、放射線治療システムが約6億9000万円という。

「ダビンチ」の操作を見る一見知事(手前)