これで見納めの可能性も、楠歴史民俗資料館で「つるし雛とちりめん遊び展」始まる

1872

【段飾りやつるし雛などが旧家の室内に映える=四日市市楠町本郷】

 三重県四日市市の楠歴史民俗資料館で2月8日、「つるし雛とちりめん遊び展」が始まった。江戸時代の末に建てられた庄屋屋敷を保存した岡田邸に、手作りの飾りや人形、計約160点が飾られている。制作、展示をしてきた「きさらぎ会」の事情で、展示は今年限りになる可能性があるといい、資料館側は「ぜひ、この機会に見てほしい」と話している。3月5日まで。

 「きさらぎ会」は、楠地区の女性たちでつくっており、展示は10年以上も続いてきたという。地元の人たちにも人気の展示で、県内で雛飾りに力を入れている地域からも見学があるという。

玄関では「雛の傘」がお出迎え

 資料館の玄関に入ると、雛飾りを吊るした「雛の傘」が迎えてくれる。和室奥の中央に楠地区の家庭で飾られてきたという古い段飾りが据えられ、つるし雛や招き猫の人形などがその周りに並ぶ。部屋の左右には、あらたに挑戦したという「やっこ凧」。タペストリーや人形などが多彩に並んでいる。

やっこ凧
人形やタペストリーなどが左右を飾る

 別の間には、かわいらしい鬼の人形が飾られており、これは、「きさらぎ会」とは別に、資料館の人たちが1年かけて、コツコツとつくったものという。邸内は、いつもよりもにぎやかな印象だ。

にぎやかな鬼の人形たち

 2月25日午後1時30分から、地元の女性6人のアンサンブルグループ「ムジクス」が「おひなまつりコンサート」を開く。管楽器の演奏で「春の童謡メドレー」「亜麻色の髪の乙女」「卒業写真」「昭和の名曲メドレー」などを演奏する。お菓子のプレゼントも用意するという。当日の受け付けで先着約40人が入場できる。また、展示室では宮崎かおるさんによる「古布で遊ぶ一人展」が2月29日まで開催中だ。