災害関連死の認定をする審査会がない? 四日市市議会で三日目の一般質問

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【三日目の一般質問で質疑があった四日市市議会=四日市市諏訪町】

 三重県の四日市市議会は2月27日、一般質問が三日目に入り、能登半島地震でも注目された災害関連死の認定について、判断する専門家による審査会が多くの自治体で設置されていない現実があることが指摘された。四日市市も設置に向けて検討する考えを述べた。このほか、プラネタリウム100周年を迎えた天文施策、子どもの自殺を防ぐ方策、地域防災と空き家対策、主権者教育などについても質疑があった。

 この日質問に立ったのは、政友クラブの伊藤嗣也さん、笹岡秀太郎さん、日置紀平さんと、フューチャー四日市の伊世利子さん、後藤純子さん、小田あけみさんの計6人。

 伊藤さんは、県内で、災害関連死の認定について適切な認定ができる専門家の審査会を設けている市町がほとんどなく、課題になっていることを取り上げ、市の考え方を聞いた。市には「四日市市災害弔慰金の支給等に関する条例」はあるものの、市が支給を行うと定めているだけで、このままでは災害関連死の判断は専門家ではない市長の最終責任になるともいえるという。

 市は、こうした状況の解消のため、審査会の設置を検討すると答弁した。ただ、県内の市町からは統一的な基準を県などから示してほしいとする声もあがっており、設置の時期については言及しなかった。

 笹岡さんは、近代的な光学式のプラネタリウムがドイツで開発されて100年の節目になるため、「そらんぽ四日市」の施策を質問した。市側は音響設備を活かしたコンサートなど、これまでの独自企画を紹介し、デジタルを当たり前の存在として育つ次世代に向け、プラネタリウムの中と外がオンラインで結ばれるような企画も検討したいなどと答弁した。

 日置さんは自殺から子どもを救う取り組みについて質問。市側は、命の大切さを扱う授業、行政や医療などのネットワークを活用した出前授業や、アンケートなどで子どもの最新の状態を把握する取り組みなどを進めることを答弁。家庭や関連機関とも連携するとした。

 伊世さんは、地域防災で、コミュニティタイムラインを作成するワークショップの実施や、倒壊などで防災上の脅威になる空き家の対策を求めた。市立四日市病院の医師や看護師などの働き方革についても質問した。

 後藤さんは、課題に向き合う力を伸ばし、選挙への関心も高めてもらう意味で主権者教育への取り組みを求めた。災害時に備えて、犬や猫にマイクロチップを取り付ける施策を推進することも求めた。

 小田さんは、市北部にあるT字路で、通勤の人がガードレールをまたいで道路を横切っていると危険性を指摘したが、ガードレールを一部開放することが難しく、代わりに横断歩道を設けようとしても申請手続きなどに時間がかかるといった実情を示し、危険な場所を何とかしたいいう市民の声を吸い上げられるようにしてほしいと求めた。