地域に根ざした診療を ひだまり内科クリニック

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【思いを話す伊藤院長=四日市市上海老町】

 かみえび診療所(四日市市上海老町)を継承する形で4月1日、「ひだまり内科クリニック」が開院する。伊藤公人院長(57)は、愛知県内の大学病院や市民病院などに勤務した経験を生かし、地域に根差した診療を目指す。

 以前の診療所から幅広い世代の人々が通う。伊藤院長は「町のお医者さんで、誰もがかかることができ、相談できる病院」であることへの思いが強い。スーパーや美容院のように、誰もが通う場所のような存在が理想だという。

 待合室の雰囲気もカフェなどを参考に、居心地の良さに配慮。モニターでは、海外の美しい光景や医療情報を映像で流す。一人ひとりが抱える悩みに向き合うことで地域の健康を守る、「病を診るのみではなく、人を診る医療をしたい」と伊藤院長は話す。

専門的な治療も

 これまで医療の現場で専門的な医療に携わってきたのが血液および循環器疾患で、同クリニックでも検査や専門的な治療にも力を入れる。血液の疾患は誰もが罹患する可能性があるもの。「臓器」として、血液の検査をすれば、様々な病気を発見し、早期治療や予防につながっていく。伊藤院長によると、「貧血が続くから」という理由で検査したところ、がんであることが判明したり、「鼻血が出るからまずは耳鼻科へいきました」という人が検査で思いもよらない血液疾患であることが分かったケースもあったという。さらに睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」も血液の検査から分かることも。血液を検査することでどのような病気が隠れているかを見分ける。

 専門的な医療にも携わってきた伊藤院長は「血液から得られる情報は膨大なものがある。体の全てにおいて血液を検査することは健康を守る上で重要」と話す。 

 寄り添う医療

今後は地域の医療機関との連携も視野に入れていく。「緩和ケア」も伊藤院長の中では重要な位置を占めていて、患者の苦痛や辛さに寄り添う医療を展開していきたいという思いがある。また、四日市という土地は企業も多いことから、企業を対象にした健康診断などにも力を入れていく展望もあり、「なんでも相談できる地域の病院でいたい」と熱く語った。

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