――展望 四日市の将来―― JR四日市駅前の新大学 規模など基本計画作りへ 

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【JR四日市駅前の広場とその向こうに続く中央通り。ここに大学のキャンパスができる=四日市市本町】

 JR四日市駅前に新しい大学を設置する四日市市の計画は、4月から大学の規模や具体的な中身を決める基本計画づくりに入る。2023年度に議論してまとめた基本構想をもとに、四日市の産業界の実際の現場と連携できる理系の教育研究の場をめざすことになりそうだ。

 コンビナートや半導体工場などの産業集積が進んできた四日市だが、産業界からは、「今後も発展を続けるためには産業を支える高度な研究、教育機関が必要だ」とする声が以前からあった。中央通り再編を機に、東の起点となるJR四日市駅前に新大学をつくる計画が起こり、専門家らの市大学構想策定委員会で1年かけてどんな大学が必要かを考えてきた。

 この間、2月に三重大学と四日市市は「JR四日市駅前における三重大学新教育研究拠点の設置に向けた検討着手の連携協定」を結び、三重大学が、ここでの可能性を本格的に検討することになった。市は四日市大学や名古屋圏の私立大学にも進出についての意向を打診しており、進出大学によっては国、四日市市などの自治体、私学などが連携して設立主体となる大学になる可能性がある。
 
駅舎を改築

 新大学の設置は、これまで、やや沈滞ムードだったJR四日市駅周辺の再開発の弾みになるとみられており、さらには、JR駅舎を全面的に改築し、橋上駅にして、自由通路を介して駅のさらに東、港地区への人の流れを加速させるという四日市市の長年の夢の実現へもつながっていく。中央通りの再編が具体的に進み始め、土地取引の価格上昇や、オフィス需要などが高まっているとの情報もあり、具体的にどんな大学ができるのかをまとめる基本計画には大きな関心が集まりそうだ。
 
理工系大学を

 専門家による策定委員会でまとまった「四日市市大学設置に係る基本構想」は市のホームぺージなどでも公開される予定だが、序章で、地域の企業と連携する共同プロジェクト型教育や県内、東海地域の企業、自治体、高等教育機関とも連携し、国際社会とも通じる教育研究をめざすとし、国際的な視野と企業と共同研究できる高度な能力を発揮できる人材を育てるとうたっている。新大学は理工系の学部や大学院を備えることが当初から提案、議論されている。

 また、中央通りの再編で、JR四日市駅前は、車道が緑地帯の南に集約され、北側は、民間の商業施設などもある緑のある広場になる予定で、大学のキャンパスとして学生が過ごせる「まちがキャンパスになる大学」を目指すとしている。

JR四日市駅舎と駅前広場=四日市市本町