【医療ナビ】 その痛み「五十肩」かも?

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【ストレッチの指導をする田島院長=四日市市赤水町】

 40~50代で多く発症し、肩が痛み、腕が上がらないなどの症状に悩む「五十肩」は、肩関節周囲炎というもので、肩の筋肉や腱、軟骨、靭帯などに炎症が起こり、肩関節の周囲が固まって動かしにくくなる。田島接骨院(四日市市赤水町)の院長で、柔道整復師の田島享さん(53)に五十肩について聞いた。

眠れない痛み

 昨年末、市内在住の54歳の男性は、肩に痛みを感じたが医療機関を受診せず、痛みは引いた。1か月後、腕を捻りながら伸ばし、物を持った時に激痛が走った。夜も眠れないほどの痛みで、整形外科でレントゲン検査などを受け「五十肩」と診断された。肩は動かさずに安静にするように言われ、鎮痛剤を服用。通院し電気治療を受けた。

 痛みは軽減したものの腕は上げられず、数週間後、痛みが再発。整形外科が休診日で、近所の接骨院を受診。超音波検査を行い、電気治療と肩の可動域を広げるストレッチを受けた。

 田島院長によると、最初の痛みはおよそ3日から1週間続く。この時期を急性期(炎症期)といい、安静が必要。その後、症状によっては回復期(急性期後1~2か月)、慢性期(3か月移行)に移行する。痛みが軽減して、回復が遅れて慢性期になると、肩関節が固まって腕が上げられなくなる。男性の場合、年末が急性期で、回復期に重いものを持ったことで肩関節に急激に外力が加わり激痛が再発したとみられる。

 「初期治療が肝心」と話す田島院長。肩こりとは違う痛みを感じたら、早期に医療機関を受診し治療することで、回復が早まる。痛みが激しい時に肩を動かすのは厳禁。回復期、慢性期に医師や柔道整復師などの指導の下で、肩関節周囲の可動域、柔軟性を高めるストレッチや体操を実施しつつ、筋トレなどで筋力を回復させる。男性は夜間や冷えると痛みが増したため、カイロを肩に貼り、入浴は発泡入浴剤入りの湯に入り、肩を温め、温泉にも通った。ストレッチと筋トレを行い4か月で支障がなくなった。「二度と五十肩にはなりたくない」と、ストレッチと筋トレを続けている。

 田島院長は「予防のため日頃から適度に体を動かし筋力や柔軟性を落とさないようにし、血流を良くすることが重要。いつもと違う痛みがあれば、すぐに医療機関を受診してほしい」と語った。
 
おすすめストレッチ
 
 前から手をあげるストレッチ…片方の肩を約90度程度上げ、壁にその手を着く。胸の前や脇の下に痛みが出ない程度に伸ばし、10~30秒程度ストレッチする。あまり腕をあげられない場合は、壁に手をつき、少しずつ這うように上にあげて、無理のない範囲まであげる。

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