多彩な魚、エビ、カニなど採取、大矢知地区の朝明川で生き物観察会開く

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【撮った魚などについて子どもたちに説明する北島淳也さん(中央)=朝明川の広永橋】

 三重県四日市市黄金町付近にある朝明川の広永橋のたもとで7月28日、「朝明川の生き物観察会」が開かれた。地域の自然に親しもうと、2008年ごろから続いているという。小学生約15人と大人たち約20人が約1時間、朝明川や近くの水路などで網を使って魚やエビ、カニなどを採取し、専門家から名前や生態などの説明を聞いた。

 大矢知地区まちづくり構想推進委員会の朝明川自然学習公園化プロジェクトチームなどが開いた。この日も猛暑になったが、広永橋の下は大きな日陰ができて、休憩するのにもってこい。ここを拠点にして飲みものなども用意して、小学生たちは網を手に、朝明川や周辺の用水路に入って生き物を網に追い込んだ。

網を手に朝明川に入る子どもたち

 採取した魚やエビ、カニなどは水槽に入れ、東海タナゴ研究会代表で、三重県内で幾つかのフィールドワークをしている北島淳也さんが解説した。この日捕れたのはゴクラクハゼ、ブラックバス、グッピー、スズキ、カジカ、フナ、シラハヤ、タモロコ、コイ、ウナギ、テナガエビなどといい、ウナギは写真を撮った後に逃げられたそうだ。

用水路で魚を追う参加者たち

 北島さんは、ブラックバスは日本では危険な魚のイメージだが、それは日本には歴史的にブラックバスの天敵となる鳥などがいなかったからで、米国では日本では問題にならないコイが増えすぎていると説明した。グッピーのような熱帯魚がいることも、温泉や工場からの温かい排水で、川の生育環境が変わってきていることもあると説明した。

 北島さんは、食べるとおいしい魚も教えてくれたが、採取した魚は、最後にすべて川に放した。大矢知地区の同プロジェクトチームリーダー河村清澄さんは「朝明川に親しむことを通じて地域を大切に思ってもらい、それが、子、孫へと伝わっていけば。そう思ってこれからも続けたい」と話していた。今回の企画を開いた広永橋から北勢バイパスの橋までの約400メートルの河原を自然公園のように整備する構想が地元にはあるという。

水槽には採取された魚やエビ、カニなど