早朝清掃200回達成、四日市の吉崎海岸、記念の物語を紙芝居で発表

【プラスチックごみを中心に拾い集める参加者たち=四日市市楠町】

 三重県四日市市楠町の吉崎海岸で毎月第1日曜にしている早朝清掃が、8月3日で200回目を達成した。2009年にスタートし、16年間続いた。中心になって運営してきた団体に市から感謝状が贈られ、活動に参加してきた子どもたちが描いた絵で吉崎海岸の物語を絵本にする計画も公表され、どんな内容になるか、参加者に紙芝居の形にして発表もした。

 この日も朝から暑かったが、海岸にはどことなくお祝いムードも。松の木陰は比較的涼しく、飲み物やかき氷のふるまいも用意された。少し前に比べると、砂浜には木の枝などのごみが押し上げられており、清掃作業では、とくにプラスチックごみを多く集めようと呼びかけられた。

 早朝清掃は、楠地区まちづくり検討委員会が主催し、四日市ウミガメ保存会が共催するかたちで共に運営してきた。暑い夏も寒い冬も、よほどの天候でない限り休まない。初期のころを知る人によると、最初は20人くらいで始めたという。今では例年2000人を超す人が参加しており、この日も200人を超す人が参加した。

 清掃活動に入る前、市環境部の秦英博次長が森智広市長名の感謝状を代理で検討委員会の森正一会長に手渡し、「みなさんのコツコツ続けた結果が、今のこのきれいな海岸につながっています」とお礼を述べた。検討委員会は、日ごろ、石けんなどの参加記念品などを提供してくれるライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社と、夏は冷たい水、冬は温かい茶を提供してくれている石井燃商株式会社に感謝状を贈った。

四日市市の感謝状を手にする森正一会長と下田菜生代表

 清掃活動のあと、四日市ウミガメ保存会の下田菜生代表が、子どもたちと一緒につくってきた紙芝居形式の海岸の物語を発表した。早朝清掃に小さなころから参加して、同じだけの人生を送ってきた主人公はなが、海岸をみんなできれいにし、いつか、ウミガメが産卵に戻ってきてくれることを願う内容。使われた絵も子どもたちの作品だ。

海岸の物語を読むはなさん(右)

 はなさんは、暁中学校・高等学校(6年制)の4年生(高校1年生)の中辻初菜さん。絵を描いたのは神田果花さん、坂本祥大さん、KANAMUさん、TAROさん、ごしまそうきさん、ごしまいろはさん。ほかにも高校生たちが協力した。下田代表は今年中に非売品の絵本にするつもりだという。

物語を子どもたちが描いた絵が彩る

 この日、四日市出身の現代アーティスト吉田凱一さんが参加し、海が汚れていたころときれいになってからとの2枚の絵を下田代表にプレゼントした。海岸では漁網などを使ったアート作品もつくり、清掃に参加した人たちに見てもらった。

暑さに負けず、この日も200人を超す人が清掃に参加した

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