保育士の仕事を体験して理解、四日市で高校生のインターンシップが3年目

【こどもたちと自由遊びの時間を過ごすインターンの高校生(エプロンの2人)=四日市市鵜の森1丁目】

 高校生が保育士の仕事を理解する「高校生のインターンシップ~保育士になれる夏休み2025」が、8月8日まで三重県四日市市で開かれている。5日は鵜の森1丁目の社会福祉法人博秀会たいすい中央こども園(太田茂子園長)でも開かれ、高校生6人がこどもたちと一緒に過ごした。

 四日市私立保育連盟とユマニテク短期大学が共催、四日市市が後援し、今年で3年目の企画。連盟の31園のどこかで、7月28日から8月8日までの間で2日間の職業体験ができる。予約締切日までに100件近い申し込みがあったといい、三重県内だけでなく、愛知県の高校生からも予約があるという。市域あげてこうした保育士を知ってもらう取り組みをしているのは珍しいという。

 たいすい中央こども園では、2歳児や5歳児の部屋で、高校生たちが自由遊びの時間を共に過ごし、同じ給食を食べ、午後のお昼寝の世話もした。太田園長の話では、言葉がまだ少ない年少の子の方が、初めて接する高校生には難しいそうだ。その半面、かわいさは格別で、そこに惹かれる高校生もいるという。高校生には事前にエプロンがプレゼントされており、それを着ての体験だ。

2歳児と一緒に遊ぶ高校生(エプロン姿)たち

2年続けて参加の高校生も

 この園では、こどもたちの体験の幅を広げるため、外部講師による時間を採り入れており、この日は学習教材などでも知られる学研の講師による「かがくタイム」があった。ロケット型の風船をつくって飛ばす挑戦で、高校生も難しいところを手伝った。

 四日市メリノール学院から参加した高校生の伊藤心優さんと裏川あか音さん(いずれも3年生)は、保育士の仕事にも関心があり、2年生の時から続けてこの園でのインターンシップに参加しているという。「こどもたちと遊んでいる時が楽しい。去年のあの子が、こんなに成長したと分かり、親しみを感じます」などと話した。

 「高校生のインターンシップ」は、高校生からみると、実際の保育の現場で過ごすことで、保育士の仕事を理解でき、こどもとのかかわりを通して相手の立場になる共感の力や、言葉だけではない気持ちの伝え方の力を高められる。

ロケット型風船を飛ばすこどもたち。伊藤さんと裏川さんも見守った

保育士への理解は四日市では重要な課題

 一方、こども園や短期大学にとっては、慢性的な人手不足とされる保育士のなりてを増やしたい願いがある。とくに、四日市市では2024年度当初に保育園の待機児童数が6年ぶりにプラスになり、しかも、いきなり全国ワースト3となったため、共働きの若い世帯の子育て支援のためにも、保育士を理解してもらうことは重要な課題になっている。

 ユマニテク短期大学の浅井勉キャリア支援室長によると、保育士の労働条件は世間で言われる以上に改善されており、希望者も増えているという。このインターンシップでは、体験の前のオリエンテーションで事前指導をし、振り返りの事後指導ではレポートを作成するなど、体験するだけにとどまらない内容にしているという。

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