本社レベルも連携へ、四日市コンビナートの企業が三重県庁で協定結ぶ

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【協定締結式であいさつする一見勝之知事(右側、立っている人)=三重県庁】

 温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュートラルに取り組んでいる四日市コンビナートの事業所の本社の役員らが8月12日、三重県庁に集まり、県、四日市市との連携・協力の協定を結んだ。四日市コンビナートの今後のあり方や取り組みを進めるうえで本社の決断や関与は重要で、より付加価値の高い製品をつくることなど、今後の維持や発展について協力する。

 この日結んだのは「四日市コンビナートの維持・発展に向けた連携・協力に関する協定」で、コンビナート企業12社(うち1社が都合により欠席)と一見勝之知事、森智広市長の計13人が出席し、その席上、連携協定書への署名などが行われた。

協定締結式に出席した企業の役員ら

 署名のあと、企業から代表して3社が抱負などを述べた。このうち、日本最大の発電会社でもある株式会社JERAの代表取締役社長CEO兼COOの奥田久栄さんは、火力発電所がある愛知県の碧南市で、水素・アンモニウムの燃料利用への取り組みが始まったことから、水素・アンモニウムを四日市コンビナートへも導入し、より付加価値の高い製品を四日市で生み出せるコンビナート全体の発展をめざしたいとの考えを語った。

 一見知事は「今年の夏の暑さが、今後は当たり前のことになるかも知れない状況で、カーボンニュートラルは人類にとってなくてはならない目標だ。このように、すべての企業に参加していただき、さらに前に進めたい」とあいさつ。森市長も「四日市と本社との距離が近くなると感じる。四日市コンビナートの競争力向上に努めたい」などと話した。

 協定は、水素・アンモニアなどの拠点づくりやインフラ設備の共同化など四日市コンビナートのカーボンニュートラルを進めることについて協力するもので、これまで四日市市で検討してきた議論のレベルアップを図る狙いがある。この日の協定の参加企業はつぎの通り(順不同)。

 石原産業株式会社、出光興産株式会社、株式会社ENEOSマテリアル、KHネオケム株式会社、コスモ石油株式会社、JSR株式会社、株式会社JERA、昭和四日市石油株式会社、東ソー株式会社、東邦ガス株式会社、日本エア・リキード合同会社、三菱ケミカル株式会社

連携協定書を手に記念撮影をする出席者

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