四日市ドーム改修関連補正を可決、新大学関連の追加は紛糾

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【大規模な改修に向けて動きだした四日市ドーム=四日市市羽津甲】

 三重県の四日市市議会は9月8日、一般質問のあと、先議扱いとした四日市ドーム改修の業者選定に関する約110万円の一般会計補正予算案を全会一致で可決した。市側は、JR四日市駅前の新大学について、基本計画策定に伴う関連補正予算案を今議会に追加上程したいと議会側に申し入れたが、議会運営委員会で反対意見が続出して紛糾、市議会がいったん持ち帰って検討するよう求め、市側がこれに応じた。

四日市ドームは改修工事へ動きだす

 四日市ドーム関連の補正予算案は、予算常任委員会の総務分科会と産業生活分科会で審議され、質疑はあったが、いずれも原案通り可決すべきものとの判断が出ていた。

 この日、一般質問後に開いた予算常任委員会で、市が今回の補正により設計、施工を一体で行うデザインビルド方式で進めることに対し、現在の概算事業費約56億6000万円をさらに大幅に上回るような状況になった場合は改修を断念すべきだとの厳しい意見もあった。市側は「大きく変わることはないと見ているが、もしもそのような事態になれば、早めに報告する」などと答えたことで、概ねの了解を得た。

新大学に四日市看護医療大学は加わらず

 JR四日市駅前に新大学を設置する計画で、市は専門家らによる基本計画案を基に、9月4日、四日市市大学基本計画策定を発表した。暁学園の四日市看護医療大学が新大学には合流しないことを決めたといい、それに伴い、学生数や概算の工事費なども固まったため、市は計画を進めていくため、関連補正予算案を今議会に追加したいとの意向を議会側に伝えた。

基本計画に描かれた中央通り側からのイメージ図(基本計画から)

 しかし、市議会の議会運営委員会で、「本来は議会開会日までに案をまとめて、議会もしっかりと判断をするのがこれまでのやり方だった。しかし、今議会では四日市ドームを先議とし、今回、さらに余裕のない中で、このような追加提案の形になるのは、議会軽視であり、市民も納得しない」などの意見が表明された。

 市側は、「次の11月議会での上程となると、2031年の開学に間に合わない可能性があり、今議会上程が限界なのでお願いしている」と繰り返したが、委員からは「本当に11月で間に合わないのか」「10月に臨時議会を開く方法もあるが、それでもだめか」など、議会側の受け入れが難しく、市側がいったん持ち帰って検討、一両日のうちに返事をするとした。

 なお、基本計画によると、新大学は定員800人の公立大学となり、三重大学と市などによる連携を描いている。1万5600平方メートルの敷地に延べ床面積5万1800平方メートルの公立大学、商業施設、駐車場などを整備する方針で、概算工事費は248億円~268億円と記載されている。

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