中部、常磐、日永の3地区だけで床上浸水約200床下約3100、四日市市が市議会で報告

【委員会で報告する小松威仁危機管理統括部長(右から2人目)ら=四日市市議会】

 三重県四日市市は9月16日、同12日からの記録的な大雨による市内の被害状況をまとめ、市議会の委員会に報告した。浸水被害は市内8地区から寄せられ、このうち、通報が多かった中部、常磐、日永の3地区だけで床上浸水約200件、床下浸水約3100件を把握したという。被災者が今後必要とする罹災証明書や被災届出証明書の受付を同17日から始める。

 総務常任委員会で決算審議に先立ち、小松威仁危機管理統括部長らが説明した。委員会での報告のあと、記者クラブでも発表した。

記者クラブで被害状況を発表する市側(左)

 報告によると、浸水被害があったのは保々、桜、県、中部、常磐、橋北、川島、日永の8地区で、なかでも被害の通報が多かった中部、常磐、日永の3地区を選んで市が調べたところ、合計で床上浸水約200件、床下浸水約3100件を概数で把握したという。

くすの木パーキング支援のチームを発足

 浸水した地下駐車場「くすの木パーキング」の管理会社のうち、株式会社ディア四日市は、市も参画している第3セクターといい、市は、同社を側面支援する「くすの木パーキング災害復旧支援プロジェクトチーム」を16日に発足。嶋田康二都市整備部計画担当部長をトップにする部局横断的な8人体制で被害の把握、国など関係機関との調整をしていくという。市は三重県に災害救助法の適用を申請、県は適用を決定した。

浸水の状況についても質問相次ぐ

 委員からは、罹災証明書などの手続きについては、市民にわかりやすい形で伝えてほしいとの要望があった。一方で、「くすの木パーキング」の浸水については、階段から地下に水が流れ込むのを防ぐ止水板の設置ができていなかったのではないかとの疑問、人の配置が十分だったのかとの疑問、中央通り再開発の工事が行われていたことで被害が大きくなった可能性があるなどの疑問の声が市民から委員らに寄せられているとの指摘があった。中央通りの工事では、車線を南側へ集約するため、地下駐車場の出入り口の付け替え工事も行われていたためで、実際に影響したかどうかは現時点では分からないにせよ、被害者への補償が必要になった場合は、市は管理会社を指導してほしいなどの意見もあった。

こんな投稿もあります。