「明るく、本気で」をモットーとする県立四日市商業高校(四日市市尾平町)の柔道部。団体戦で東海総体に出場し、個人戦で全国大会の舞台に立つ選手もいる。強豪でありながら、練習の合間には笑顔がこぼれ、仲間同士の絆が光る。
部員は女子のみで、1年生4人、2年生5人、3年生5人の計14人。全員が経験者で有段者だ。
休養日は週に1日で、毎日の朝練や土日の稽古も欠かさない。ウオーミングアップに40分、寝技に30分、立ち技に30分、そして試合形式の「乱取り」に30分から1時間かけ、じっくりと取り組む。

柔道は力だけで勝つ競技ではない。技のタイミングや体の位置の正確さが技の成否を分け、勝敗を左右する。経験豊富な選手でもスランプに陥ることがあるが、そんな時は先輩が原因に気づき、そっと声をかけるという。その言葉を胸に刻み、自分なりに考えることで、壁を乗り越えていく。互いを励まし合いながら成長していく環境が、この部の強さをつくっている。
試合は階級制のため、体重管理も重要だ。計量を控える仲間の前では、自然とお菓子を控える。試合が終われば焼肉バイキングで思い切り食べ、デザートまで平らげる。

今は新人戦に向けて稽古を重ねている。2年生の川内箕桜さんは、昨年の全国大会の個人戦出場後に半月板の手術を受け、今年の県総体を欠場した。悔しさを胸に、次の県新人戦では優勝を狙う。
2年生で主将の三村一華さんは「一人ひとりの良さが生きる雰囲気づくり」を心掛ける。「試合で結果を残しながら、普段の生活でも挨拶や礼儀を大事にし、競技力と人間性の両立を目指す」話し、静かな情熱を燃やしている。