三重県四日市市の森智広市長は10月7日の定例記者会見で、浸水被害を出した地下駐車場くすの木パーキングについて、今後の被害の全容把握、補償問題への対応、速やかな営業再開に向け、管理会社のディア四日市が対応しきれないとなれば、市が直営にして復旧させていく選択肢はあるとの見解を示した。記者の質問に答えた。
駐車場の所有者は国とディア四日市
森市長は、くすの木パーキングは国とディア四日市が所有者で、管理をディア四日市とTFIがしているとして、補償や復旧への取り組みもこれら当事者が行うとした。市は当事者ではないとしつつ、この駐車場は市の都市計画上の重要な施設であることから、全面的にディア四日市を支援しているとのスタンスを語った。
ディアがやるのか、市が直営でやるのか
市の立場上、民間会社(ディア四日市)の補償に公金を支出することはできず、復旧についても市が主体的な立場にはないと説明した。国の部分は国がやるとして、ディア四日市の部分をディア四日市がどうするか、もしできないなら、市が経営を受け入れることもあるとした。「ディアがそのままやるのか、市が直営でやるのか、このふたつの選択肢しかないと思う」とも話した。市長は「バスタが2年後にはできるので、それまでには再開してもらいたい」とも述べた。
11月の議員説明会で方向性示す
森市長は、11月7日の議員説明会で今後の方向性を示し、11月定例月議会に予算を計上したいと述べた。10月6日の市議会での質疑でも市側が答弁した止水板設置への補助についても含まれるだろうとの見通しを述べた。
ハード面の整備急ぎつつ対応
中心市街地の浸水対策に関しては、「これまでも国の定める最大限の降雨に耐えられるよう排水対策を進めてきたが、予想を上回る豪雨は直近の東京などでも起きており、整備をどこまでやれば安心ということにはならない」と思いを述べた。それでも、新しいポンプ場や貯留管などのハード面の整備をこれまで以上に急ぎ、あとは自助の面での備えも含めて全体で対応していくしかないとの考え方を示した。