十五代も会場に、来場者と語らい、近鉄百貨店四日市店の酒井田柿右衛門展

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【作品を確認しながら会場を見て回る十五代酒井田柿右衛門さん=近鉄百貨店四日市店】

 三重県四日市市の近鉄百貨店四日市店で始まった十五代酒井田柿右衛門展の会場に10月11日、作者の十五代柿右衛門さん(57)が来場し、観覧者らと親しく語り合うなどした。12日も会場にいるという。

 十五代柿右衛門さんは10日夜に四日市に着いたといい、作品展で四日市を訪れたのは今回が初めてだそうだ。展示関係者によると、十五代への展示依頼は全国から数多く届いているため、このあと、ふたたび、柿右衛門さんの作品展を四日市で見ることができるかどうかは分からないという。

 展示で並ぶ作品に描かれた草花や樹木などについては、「描きたいものを描いているだけです」とほほ笑んだ。古くは様式的な絵柄だったが、近年では実際のスケッチから描き出す絵柄にと変化してきているという。

 十五代によると、今回の作品のうち、藤や葡萄は花の名所やワイナリーを訪ねて描き、椿や苺は自宅近くの野山で描いたものが多いそうだ。展覧会を開く場所に合わせて描く植物を考えることもあるという。「柿右衛門として作品を世に売り出して、380年ほどになっており、その歴史なども作品から感じていただければ」と話していた。

 十五代酒井田柿右衛門展は14日まで(最終日の展示は午後3時まで)。襲名から12年目に入った十五代の花瓶、花器、皿など50余点を展示している。

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