「当社では施設の機能回復は非常に困難」、くすの木パーキングの管理会社が四日市市に要望書

【くすの木パーキングの早期復旧について述べる森智広市長=四日市市役所】

 三重県四日市市の森智広市長は10月20日の定例記者会見で、大規模な浸水被害が起きた地下駐車場「くすの木パーキング」の管理会社から、施設の機能回復が難しく、復旧の手法を検討するよう、市に要望書が提出されたことを明らかにした。森市長はすでに、今の管理会社の体制で復旧が難しければ、市の直営で復旧させる可能性もあると述べている。

苦悩訴える要望書、市の直営方式あらためて言及

 要望書は10月15日付で、株式会社ディア四日市から四日市市長あてに提出された。くすの木パーキングは、国道1号の下を国が、中央通りの下をディア四日市が所有し、同社は全体の管理も手がけていた。

 要望書では、同社が中心市街地のまちづくり会社として活性化などの役割を担い、その観点から、都市計画駐車場である地下駐車場の機能を早急に復旧させる必要があるした。そのうえで、被害状況などから、同社では施設の機能回復は非常に困難で、市として早期復旧に向けた手法を検討いただきたい、などと要望している。

 森市長は「国へも早期復旧を求めているが、被害状況の調査なども国側は進んでいるようだが、民間側はそうも行かず、体制にも懸念がある」などと語り、ディア四日市が復旧を進めるのが困難な場合は、市が引き受けるしかないのではないかとの考えを改めて述べた。

県議会委員会のやりとりに抗議

 一方、森市長は10月17日の三重県議会防災県土整備企業常任委員会で行われた同パーキングのやりとりで、山崎博県議の発言が事実に著しく反するなどとして、同20日付で県議に抗議書を送ったと明らかにした。

 委員会の質疑では、県議は13日朝の段階でも現場に市の誰も来ていない状況で、森市長に電話をかけたところ、「そんなことが起きてるんですか」「わかっていませんでした」などと話したなどと発言、市の危機管理意識に疑問を呈し、「市長がこんなことで、南海トラフなど対応できるのかと感じた」といった感想も語っていたという。

 森市長は「そもそも、私は山﨑県議から朝の電話をもらっていない。電話があったのは14日夕のことで、このような認識であるはずがない。13日午前零時から1時の間の市民の通報で地下駐車場の浸水は覚知し、未明から現地へ人が出ており、私も未明のうちに被害を認識していた」などと反論した。森市長は三重県議会あてに議事録の対処を求めるとも発言した。

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