最新鋭アルミナプラント開所式、日本エアロジル四日市工場、独エボニックグループの世界戦略担う

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【テープカットをする関係者、来賓のみなさん=四日市市三田町】

 三重県四日市市の日本エアロジル四日市工場で10月23日、最新鋭のフュームドアルミナ製造プラントの開所式があり、関係者らがテープカットなどで祝った。電気自動車のリチウムイオン電池などに欠かせない材料となることが見込まれており、ドイツのエボニックインダストリーズの世界戦略の重要な生産拠点となると見られている。

 フュームドアルミナはナノ構造の微細な酸化アルミニウムの粉末で、超薄膜のコーティング、塗料業界の持続可能な代替技術である粉体塗装の品質向上に貢献するほか、電気自動車用リチウムイオン電池の性能や安全性を向上させる添加剤として使用されるという。

 日本エアロジルはエボニックジャパンが主要な株主。各種の業界に特殊な化学製品の製造、販売をしているドイツのエボニックグループに属している。最先端のアルミナプラントはドイツ国内にもあり、アジア市場の動向を見つつ、もうひとつの拠点として、生産技術の信頼性が高い日本エアロジルの四日市工場を選んだとされる。

 開所した新プラントは2023年4月に着工し、5階建てビルに相当する大きさ。現在は試験操業中で、製品の検査などを経て、2026年の前半には本格製造に入る見込み。数十億円規模の投資となるプロジェクトだという。

開所した最新鋭アルミナプラント

 開所式では、日本におけるエボニックグループ代表でもある日本エアロジルの内藤吾朗社長が「この製品を製造できる拠点はグループ全体でドイツ・ラインフェルデンと四日市の二カ所のみ。日本エアロジルは四日市で約60年、フュームド酸化物を製造し、アジア全域に安定供給してきた。長年の経験と供給体制が四日市を選定した最大の理由」などと説明した。

 ドイツから参加したエボニックインダストリーズ・スマートエフェクト事業部責任者のエマニュエル・アウアーさん、ペトラ・ジグムンド駐日ドイツ特命全権大使もあいさつに立ち、新プラントの将来への可能性や日独のチームの協力の成果に触れた。一見勝之知事もあいさつ、森智広市長も出席した。あいさつのあと、関係者が見守る中でテープカットをした。会場には「まんまる座」による和太鼓の演奏や大道芸、獅子舞など、日本のおめでたい出し物での演出もあり、雰囲気を盛り上げた。

獅子舞などの日本のおめでたい演出もあった

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