アールヌーボーを代表するガラス工芸や家具などの作家、エミール・ガレの流れを汲むとされるルーマニアの現代ガラス工芸作品を紹介する「現代ガレ展」が、10月25日~同27日、三重県四日市市諏訪栄町の貴金属店「キタオカ」の2階で開催される。独特な形状や絵柄が目を引くランプや花器など約40点を展示する。入場無料。
ガレは昆虫や植物を描く自然主義的な作風と、日本文化へのあこがれを感じさせるジャポニズムに影響された作風が混在するとされ、展示された現代の作品にもトンボが飛ぶ様子や日本画的な絵柄が多く見てとれるという。

「キタオカ」の代表取締役社長、北岡太輔さん(56)は、美しい宝石などを扱いながらも、いつか、「心を引かれ、今と未来を結ぶメッセージのある企画がしたい」と考えていたという。宝石を扱う業者の紹介で、ある美術宝飾品の卸業者と出会い、ルーマニアの「現代ガレ」を知り、創業98周年の企画としてこの展示の開催を決めたという。
ガレの作品を所有している、あるいは知っている人からも「見てみたい」と関心を示されたといい、展示作品は購入もできるが、「買うことは難しいけれど、どんな作品なのか見てみたい」という人の来場も歓迎だという。1階が店舗のため、店の人に声をかけ、展示を見に来たことを伝えてほしいという。

エミール・ガレは1846年にフランス・ナンシーのガラス器などの業者だった家に生まれた。本格的な技術を学び、パリ万博への出品などで注目され、アールヌーボーの中心人物の一人として活躍した。死後、工房の弟子らの多くはルーマニア皇室の庇護により、ルーマニアに流れ、制作が続いてきたという。ルーマニアも現代ガレをPRしたい希望があるとされ、今回の展示にはルーマニア大使館の後援が得られたという。








