三重県四日市市山田町の医療法人社団主体会小山田記念温泉病院が、歩行用下肢装着型サイボーグを導入し、リハビリに活用している。県北部の三泗、桑員地域の医療機関では初めてで、神経・筋難病疾患などへの効果が期待されるという。利用者からも「自分で歩いているような実感がある」との声が聞かれている。
県北部の三泗、桑員地域お医療機関では初導入
導入したのは装着型サイボーグ「HAL」で、下肢に装着する。一般的な日本人の体形をカバーできる2種類のサイズを8月にそろえた。
人が足を動かそうとする時には、脳から意思を伝える信号が神経を通じて筋肉に伝わる。HALは、この信号が体表に出てくる微弱な「生体電位信号」を検出し、その時の人の意思に沿った動きを支援できるという。

「自分で歩いているよう」、訓練で実感
回復期リハビリテーション病棟での脳卒中リハビリで、毎日、装着して機能回復訓練をしている70歳代の女性は、「人の介助だけでの歩行訓練は『運ばれている』ような感覚でしたが、今は『自分で歩いている』ように感じられます。足の動きがとても軽くなりました」と話している。
医療保険適用の対象疾患も広がる
同病院リハビリセンターの理学療法士、小崎琢也さんは「リハビリへの効果が確立されてきたことや、医療保険が適用される疾患の対象が2年ほど前に拡大されたことで、病院として導入を決めました」と話す。対象疾患は脊髄性筋萎縮症(SMA)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、筋ジストロフィーなど10の疾患に広がっているという。
病院からは地域の開業医の医師にも導入の案内をしているが、リハビリテーションセンター(059・328・1260)でも問い合わせに応じている。
小山田記念温泉病院は、三重県内で初めて回復期病棟を立ち上げるなどリハビリテーションの実績が特徴のひとつで、これまでの経験に新しい装着型サイボーグの可能性を加えて、患者さんの状態に合う治療や機能回復を提供していく考えだという。








