三重県四日市市は11月20日、今月末に始まる市議会に提案する一般会計補正予算案を説明する中で、子どもたちが優良な芸術やスポーツに触れる機会を提供する「こどもみらいクーポン」の事業化や仕組みなどを発表した。森智広市長が2024年11月の市長選で掲げた主要な公約のひとつで、「制度設計から始める全国に例のない施策」の具体化になる。
市の説明によると、こどもみらいクーポン事業は市内の小中学生を対象に、子どもたちが楽しみながら参加できる多様な体験プログラムを提供し、そこでのポイント獲得が達成感などにつながり、優れた文化芸術やスポーツの体験ができるという。
子どもたちは、まず、各種スポーツ教室への参加、「郷土が誇る芸能大会」などの観覧、図書館や地区市民センター図書室の利用、博物館常設展示の見学などをし、ポイントを獲得する。
次に、ポイントに応じたクーポンが獲得でき、子どもたちは、この事業に賛同する民間事業者が提供する上質な文化芸術、スポーツ事業の体験ができるという。市は、プロのスポーツ選手やアーティストとの交流(ワンポイントレッスンなど)や、オーケストラ、バレエ、歌舞伎などの芸術鑑賞、文化会館第1ホールでのスタインウエイのピアノ演奏体験、などを例に挙げている。
市はポイントやクーポンの獲得を市立小中学校で貸与されている学習者用タブレットに専用のシステムを導入する方針で、事業者選定を今年度中に行うため、今議会には「こどもみらいクーポン管理システム等導入経費」として、限度額3540万円の来年度までの債務負担行為を挙げている。
システムづくりとは別に、現実には、子どもたちが参加してみたいと思う体験プログラムをしっかり準備できるかどうか、家庭の事情などで体験参加に格差が生まれないか、さらに、クーポンを得て参加できる芸術やスポーツの機会を、だれが、どう提供するかなどが事業の成否を左右することになりそうだ。








