一般道の方が怖いです、ラリードライバー小川由起さんが四日市で交通安全語る

【交通事故防止ディスカッションで話す小川由起さん=四日市市日永4丁目】

 三重県四日市市出身のラリードライバー小川由起さん(32)が、車を乗りこなしている立場から交通安全を語るトークイベントが12月20日、市内で開かれた。年末になり、ついスピードを出しがちな自らをふりかえってもらおうと、四日市南署が企画した。小川さんは「レースで走るより、いつ何が飛び出すか分からない一般道の方が怖いです」と、慎重な運転を呼びかけた。

交通安全大使に任命される

 会場は同市日永4丁目の大型商業施設「日永カヨー」の店内中央広場。小川さんはステージで岡崎浩司署長から交通安全大使を託され、その後の「交通事故防止ディスカッション」で、 同署の土生聖一交通第一課長の進行で、ラリーや交通安全について思うことを話した。

交通安全大使に任命された小川由起さん。右は岡崎浩司署長

 小川さんは、ラリーでは、助手席に乗るコ・ドライバーとレース前に走行コースを下見し、カーブや路面の状況を把握していることを紹介。こうした準備がなく、「いつ、何が横から飛び出してくるか分からない一般道を走ることの方が、とても怖いです」と話した。

 つい最近、一般道を走行中、運転席側から飛び出してきた車に衝突されたという。ラリーで乗る車だったので、車内に安全対策の金属パイプが装備されていて、無傷で済んだ。車の安全対策が進んできているとはいえ、時速150キロで走っていたら急ブレーキを踏んでもすぐには止まれないなど、運転手が自ら安全を意識している必要があると話し、飲酒運転などは絶対にやめてほしいと訴えた。

正しい運転姿勢や事前の運動が大事

 運転で気を付けてほしいこととして、正しいドライビングポジション(運転姿勢)を強調した。ブレーキを無理なく踏めるか、ハンドルをしっかり切れるか、シートベルトも正しく装着できているかなど、いざという場合のとっさの動きを左右するそうだ。いきなり車に乗り込んで運転するのではなく、事前にストレッチなどで体を柔らかくしてから運転席に入ることも勧めた。

 土生課長に高齢者の事故について意見を聞かれると、小川さんは、免許の返納が地方では難しいことにも触れ、高齢者が参加でき、急ブレーキを踏んでみることや、自分の車幅感覚を確認しておく経験などができるイベントを開いてみたいと話していた。

 トークイベントが終わったあとは、会場に用意したマイカーのラリー車を開放し、子どもたちが運転席に乗ったりするのを楽しそうに見守った。

 小川さんは、3児のママでもあり、ラリーは3年余の経験で実力を伸ばしてきた。昨年、自らのチーム「RAプロジェクト」を立ち上げており、各地のレースで戦績を重ねているほか、最近も群馬県安中市で安中警察署の一日警察署長を務めるなど、さまざまな社会貢献活動にも協力している。

記念撮影などに応じる小川由起さん

こんな投稿もあります。