三重県四日市市海山道町の三浜文化会館で、宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」を題材にしたリーディング公演の稽古が始まった。公演は1月31日(土)と2月1日(日)の2日間で、稽古初日から本番までの準備期間はおよそ2週間。公募で集まった20人の一般市民らが、プロ俳優2人と専門スタッフのサポートのもと、賢治が描いた「幻想第四次」の空間を立ち上げる。
出演者は10代から70代までと幅広く、市民参加型の企画らしい多様な顔ぶれがそろった。初日は終始和やかな雰囲気のなかで、作品の世界観を共有する時間となった。
会館をめぐりながら物語を体験
今回の公演は、客席に着席して鑑賞するのではなく、観客が日没後の三浜文化会館館内を歩きながら物語を体験する形式で行われる。靴を脱いで移動し、屋外に出る場面もある。
「普段の生活のなかで、ゆっくり空を見上げる時間は意外と少ない。出演者も観客も、旅する心でこの物語を体験してほしい」。そう語るのは、構成・演出を担当する志賀亮史さん。茨城県土浦市を拠点に活動する劇団「百景社」主宰として、「演劇は『場』の芸術である」という理念のもと、野外公演や田んぼ、元米備蓄倉庫など、既成の劇場空間にとどまらない上演を数多く手がけた実績がある。

工場夜景と電車の風景が作品と重なる
会場の三浜文化会館は、かつて小学校だった校舎を活用した文化施設。そばを近鉄電車が走り、夜には工場夜景の光が感じられる立地で、市街地と比べて空がひらけた環境も特徴の1つとなっている。「電車が通る風景や、まちなかより星が見える立地、工場夜景――。こうした要素は銀河鉄道のイメージと重なります。景色を生かして、作品を立ち上げていきたい」。
稽古初日を終え、志賀さんは「皆で楽しめる文化祭のような祝祭的な時間になれば」と公演への思いを語った。参加者とともに物語を味わいながらつくっていく過程そのものが、この企画の核となっている。

宮沢賢治生誕130周年 四日市での第1歩
なお、今回のリーディング公演は単発の企画ではなく、来年度に市民参加による劇場版「銀河鉄道の夜」(四日市市文化会館)の制作も予定されている。
2026年は、宮沢賢治の生誕130周年にあたる。節目の年に、旧小学校を舞台に立ち上がる「銀河鉄道の夜」は、四日市から始まる新たな試みとして観客を迎える。
公演情報
- 日時:2026年1月31日(土)、2月1日(日)
各日午後5時開演(開場20分前) - 会場:四日市市三浜文化会館
- 料金:1,000円(各回定員50人)
※館内を移動しながらの上演。靴を脱ぐ、屋外に出る場面あり。防寒具推奨。
チケットは、よんぶんネット(要会員登録)(https://yonbun.com/ticket-purchase/)、四日市市文化会館の仮事務所(三浜文化会館内)で購入できる。
詳細は公式サイト(https://mihama-culture.com/news/3537/)。問い合わせは、同会館電話(059-354-4501)へ。









