四日市で見て・知って・体感する「みえロケットEXPO」開催 時代を越えるロケットの軌跡

, , ,
みえロケットEXPOのポスターを手に、来場を呼び掛ける「宇宙の学校®みえ」のメンバー
【ポスターを手に来場を呼び掛ける「宇宙の学校みえ」メンバー】

 昭和の挑戦から、令和の宇宙時代へ――。「みえロケットEXPO」が、三重県四日市市海山道町の三浜文化会館で2月15日(日)から22日(日)まで開かれる。日本のロケット開発の歩みを伝える展示や、現場を知る技術者による講演、体験企画を通して、宇宙とものづくりの世界に触れられる1週間だ。

 主催するのは「宇宙の学校みえ」。全国各地で展開されている宇宙教育プログラムを昨年、三重県で初めて開校し、1年を通じて子どもたちが宇宙や科学に親しむ場づくりを続けてきた。

展示されるペンシルロケット。日本のロケット開発の原点となった小型ロケットが並ぶ
展示されるペンシルロケット(林紀幸さん所蔵)・「宇宙の学校みえ」提供


ロケット開発の原点に触れる

 会期中、同会館ロビーには、全長約23~46センチのペンシルロケットの実物が数種類展示され、ロケット開発の原点を間近に見ることができる。鉛筆のような形状の超小型の同ロケットは、日本の宇宙開発の礎となった糸川英夫教授(1912-1999)が開発し、1955年に初の水平発射実験に成功したとして知られる。残存する実機は少なく、県内で公開される機会は貴重だ。

 これらは、伊勢市育ちで宇治山田商工高等学校(現・宇治山田商業高)卒業後、当時の糸川研究室でロケット開発に携わり、のちにロケット班長を務めた林紀幸さん(86)が所有するものだ。


模型で見る日本のロケット

 このほか、日本の主力ロケットの歴史をたどる1/100模型も並ぶ。1997年から2006年まで活躍したM-V、2001年以降長く打ち上げを担ってきたH-ⅡA、2009年から2020年まで運用されたH-ⅡB、そして2013年に登場した最新のイプシロンロケットだ。


昭和と令和の現場技術者が語る

 最終日には、日本の科学技術を支える三重のものづくり企業を紹介する展示や体験コーナーに加え、特別講演会が開かれる。

 講演会は2部構成。第1部では、JAXAでロケット開発に携わってきた鈴鹿市出身の岡田修平さん(39)が、「ロケットの話をしよう」と題し、開発の最前線について語る。

 第2部では、林さんと岡田さんによる対談「ロケット開発の現場とものづくりの未来」が行われる。三重県出身のロケット技術者2人が、それぞれの経験をもとに、宇宙開発とものづくりのこれからを、小学校高学年以上を対象に、分かりやすく語り合う。

手作りされた鮮やかな水色の「宇宙ポスト」。来場者の願い事を宇宙に届ける体験企画に使用する
手作りの宇宙ポスト。投函された願い事は集められ宇宙に打ち上げ、いつか流れ星になる


体験で広がる宇宙と科学の世界

 参加無料のワークショップでは、遊びながら考える力を育てる体験企画が用意されている。探査ローバー体験では、四日市工業高校ものづくり創造専攻科の学生が、前野段ボール株式会社の協力を得て制作した段ボール製のコースを使用。ロボットはミイシステム株式会社が提供し、実際に操作しながら宇宙探査の仕組みを学ぶことができる。

 また、回転運動の不思議を体感できるジャイロ効果体験や、民間宇宙開発団体「リーマンサット・プロジェクト」による「宇宙ポスト」も登場。宇宙に打ち上げられた手書きの願い事が地球の周囲を回り、やがて大気圏に突入して流れ星になるという企画。科学技術と夢を重ね合わせたユニークな取り組みだ。

プレイベント「熱気球をあげよう」で、参加者らが宙に浮かぶ熱気球を見上げる様子
プレイベント「熱気球をあげよう」の様子・「宇宙の学校みえ」提供

「宇宙の学校みえ」の歩み

 昨年4月のプレイベント「熱気球をあげよう」を皮切りに、7月に「かさ袋ロケットを飛ばそう」、10月に「光の科学 ハッピーメガネで遊ぼう」「天文講座」など、参加した三重県内の約30組の親子が楽しみながら科学に親しんだ「宇宙の学校みえ」。立ち上げ初年度は、運営面でも手探りの連続だったが、月1回の例会を重ねながら改善を続けてきたという。

 通年参加の親子以外にも広く門戸を開いた「みえロケットEXPO」は、この1年の活動の集大成でもある。代表の森幸司さんは、「イベントを通じて、『宇宙の学校みえ』の存在を知ってもらい、継続的な活動につなげたい」と語る。自身も製造業に従事することから、「地域の技術力、ものづくりの力に光を当て、子どもたちの興味を育てたい」と力を込める。

 ロケットや宇宙開発と聞くと、どこか遠い世界の出来事のように感じる人が多いかもしれない。しかし実は、地図アプリや通信など、私たちの暮らしの中にも、宇宙の技術が使われている。話を聞き、体験することで宇宙はもっと身近なものになるだろう。その入口としての1週間が、四日市で始まろうとしている。


開催情報

  • 日時:2月15日(日)~22日(日)、
       午前9時~午後8時(初日は午後12時~、最終日は午後5時まで)
  • 場所:四日市市三浜文化会館

展示観覧無料。
講演会は大人500円・高校生以下無料、事前申込制(申込締切は2月12日、応募多数の場合は抽選)。申し込みは、(https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfj_M46EIXOmtVwpR6FUvq44upB_mT9jC4a1PC_0w8kG5DndA/viewform

問い合わせは、メール(uchunogakko.mie@gmail.com)、電話(09099440448)宇宙の学校みえ事務局・伊藤さんへ。

こんな投稿もあります。