技能五輪金賞の諸岡美有さん 母校四日市農芸高で後輩を指導

諸岡さんの説明を興味深く聞く生徒が諸岡さんの後ろからのぞき込む様子
【諸岡さんの縫い方を熱心にのぞき込む生徒】

 控えめで口数は少ないが、和裁に向き合う姿勢は誰よりも真摯。昨年の技能五輪全国大会・和裁部門で最優秀賞の「金賞」を受賞し、現在は和裁の指導員として働く三重県立四日市農芸高校出身の諸岡美有さん(25)が2月13日、母校の教壇に立った。

諸岡さんと記念写真を撮る生徒



 在学中、服飾経営コースの授業で出会った和裁は、こつこつと手縫いで仕上げる作業が性に合った。卒業後は東亜和裁に進み、技術を磨き続けて指導員に。昨年、念願の金賞を手にした。

 同コースの3年生は浴衣を仕立てる。洋裁がミシン中心なのに対し、和裁は手縫いが基本で、針を「押して進める」独特の動きが特徴だ。中村通子教諭は「本物の技術を見せたい」と、金賞受賞を機に諸岡さんを招いた。

 指導員として教壇に立つようになり、諸岡さんは「技術を言葉にして伝える難しさ」を痛感したという。「やり方を説明するだけでは伝わらない。理解できるように伝えようという気持ちが大事だと気付いた」と話す。

着物を着た諸岡さんが生徒に縫い方を教える姿
生徒に教える諸岡さん

教える技術も習得

 昨年は直線を引き、その上を縫う方法を教えたが、短い和裁針に慣れない生徒には負担が大きかった。今年はまず、手の動かし方を身につけることに重点を置き、線を引かずに針を動かす練習から始めた。針で指を刺す場面もあったが、生徒たちは真剣な表情で手元に向き合っていた。

 森川凛音さん(2年)は「普段の縫い方と違って難しかった。もっと練習して浴衣を上手に縫えるようになりたい」と話す。

布を持ち手縫いについて語る諸岡さん
布を持ち手縫いについて語る諸岡さん

 諸岡さんは「まさか人に教えるようになるとは思っていなかった」と笑うが、控えめで真摯に向き合う姿勢は、教える場でも変わらない。「後輩たちに和裁の魅力を伝え、和裁士を目指してもらえたら」と語った。

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