三重県菰野町でコロナ禍などによる休止を挟みながら、13年にわたって続く映画づくりの取り組み「菰野ふるさと映画塾」。その作品上映会「菰野で映画な日日 映画三昧」と、同塾で指導を務める四日市市出身の映画監督・瀬木直貴さんによる講演会が4月18日(土)、菰野町町民センターホール(同町福村)で開かれる。入場無料。
3日間で1本を生み出す実践の現場
2013年に始まった同映画塾は、3日間で約10分間の短編映画を完成させる実践型プログラム。参加者は桑名市や四日市市、津市など県内各地に加え、東京や九州など遠方からも集まる。
地元住民はロケ地の提供や撮影協力などで関わり、塾生自身が企画から脚本づくり、出演、撮影、編集までを一貫して担う。異なる背景を持つ人々の視点が交差する3日間の現場は、時間に追われながらも1つの作品を仕上げていく濃密な空間となる。
「別れ」や「壁」、人の営みをテーマに
作品は毎回、その年ごとに設定されたテーマから生まれる。2024年の第8回では「別れ」を軸に、家族の喪失と再生を描いた「おばぁちゃんのぬか漬け」が制作された。
居酒屋を営む一家の日常の中に訪れる別れを通して、悲しみの先にある感情を丁寧にすくい取った作品となった。

2025年の第9回では「壁」をテーマに、「アイ[マイ]マイ」を制作。
世間との隔たりや自分自身の内面に向き合う葛藤を軸に、塾生同士で議論を重ねながら物語を紡いでいった。大雨に悩まされる中でも撮影が進められるなど、短期間ならではの集中力が現場を支えた。
![映画塾第9回作品「アイ[マイ]マイ」の撮影の様子](https://www.you-yokkaichi.com/wp-content/uploads/2026/04/DSC07342_R-640x453.jpg)
今回は、これまでに制作された15作品の中から、第1回作品「奇跡の糞」(2013年)をはじめ、「幸せな結婚」(2016年)、「河鹿は裸足で逃げる」(2023年)、そして近年の「おばぁちゃんのぬか漬け」「アイ[マイ]マイ」まで5作品を上映する。
映画づくりが生むつながりと広がり
当日は、瀬木監督が「創るよろこびからまちの元気を!」をテーマに講演し、映画制作の裏側や、映画づくりが生む人のつながり、地域への広がりについて語る。
瀬木監督は「10年を超えて、しかも地元の皆さまの力で続いている映画づくりのワークショップは、ほとんど例がないのではないかと思います。ニホンカモシカと同じく天然記念物と言ってもいい菰野ふるさと映画塾の活動に、この機会に触れていただけたら嬉しいです」とコメントを寄せた。

次の制作へつながる力に
6月には第10回の映画塾開催も決まっている。回を重ねる中で、参加者同士のつながりや地域との関係性も少しずつ積み重ねられてきた。上映会は、その歩みを確かめる場であると同時に、次の制作へとつながる原動力にもなる。
スクリーンに映し出されるのは地元の見慣れた風景で、知人が出演しているかもしれない。それを客席から見つめる体験は、町を見つめ直す機会となりそうだ。
開催情報
開催日:2026年4月18日(土)
時間:午後1時半~同3時半(受付は同1時から)
会場:菰野町町民センターホール
入場料:無料
問い合わせ:℡09014787483(菰野ふるさと映画塾実行委員会)
関連記事
4年ぶり開催の「菰野ふるさと映画塾」 県内外から参加の22人 3日間で映画制作に挑戦
https://www.you-yokkaichi.com/2023/07/06/26240/
ロケ地は湯の山温泉 瀬木監督指導の映画塾 今年も充実の3日間
https://www.you-yokkaichi.com/2024/07/02/33260/
16歳から89歳まで!湯の山で映画づくり没頭の3日間 第9回菰野ふるさと映画塾
https://www.you-yokkaichi.com/2025/06/17/39355/









