命にかかわる熱中症に注意してもらおうと、三重県四日市市の県立総合医療センターで7月17日、一般市民を対象にした生活習慣病教室が開かれた。夏のほぼ2カ月間に死者が集中する危険度は、場合によっては交通事故より高いともいえ、体調管理や行動の注意点などをやさしく解説した。
「救急現場から伝えたい!~熱中症から大切な人の命を守るために~」の演題で、同医療センターの救命救急センター副センター長の冨田正樹医師と、副師長でクリティカルケア認定看護師の高橋知江さんが講師を務めた。

熱中症予防にはふだんの生活習慣が大切
冨田医師は「熱中症が生活習慣病?と思う人がいるかも知れないが、日々の過ごし方をどうするかで防ぐことができる点で、まさに生活習慣が大事」と話した。汗をかきやすく、体温が調節できる身体になるよう、運動や入浴などを採り入れること、エアコンを適切に使う、水分と塩分を適切にとり、睡眠不足をなくし、朝食を食べないといった生活は見直すよう注意点を挙げた。
交通事故の死亡者数は全国で年に約2600人余で、熱中症の死者は1000人なのだが、ほぼ7、8月の2カ月間に死者が集中しており、短期間の死亡リスクは交通事故よりも高いという。しかも、海と山が近い三重県では、温まった空気が街中にたまりやすく、熱中症警戒アラートが出る頻度は全国上位に入るという。医療センターだけでも、毎年、手当てするものの、1人は死者が出る現実があるという。
室内にいる時も過ごし方に注意
熱中症が室内で起きやすいことも注意点で、高橋さんは室内での注意点をイラストにまとめた映像を見せ、室内での服装や、エアコンや扇風機などの使い方などを説明した。高齢者は水分が不足しがちで、暑さに対する感覚も低下しているといい、病院に運ばれた時に厚着をしている人が珍しくない。自宅での介護で気を遣う点をアドバイスした。高齢者だけでなく、幼児など小さな子どもも、体温調節機能が未発達で、太陽光や地面などからの輻射熱で大人よりも熱中症になりやすい環境にいることを忘れないでと指摘した。