止水板2カ所は故障していたと発表、四日市のくすの木パーキング

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【国道1号の東側にあるくすの木パーキングの入り口=四日市市諏訪町】

 記録的な大雨で浸水した三重県四日市市の地下駐車場「くすの木パーキング」について、管理会社や国の機関は9月19日、電動式の止水板が設置してあった車両用の出入口3カ所のうち2カ所で止水板が故障していたと発表した。浸水は歩行者用の出入口など施設全体からに及んでおり、この2カ所の故障がなければ浸水が防げたとは言い難いが、今後、車両の持ち主との補償問題などに発展した場合は火種になりかねない状況だ。

 地下駐車場を管理・所有している株式会社ディア四日市、TFI株式会社、国土交通省中部地方整備局三重河川国道事務所が発表した。止水板が故障していたのは、国道1号の東側、四日市市総合会館前あたりでの出入口とされる。故障がどの程度前から分かっていたのかははっきりしないが、直前に分かったものではないとの情報もある。

四日市市総合会館前にあるくすの木パーキングの出口

 この止水板は国道1号の西側、駅前商店街前あたりの出入口にもあったとされるが、こちらは浸水が急激だったために操作が間に合わなかったとしている。歩行者用の出入口は7カ所あり、人の力で運んで設置することになっていたが、これらも急激な浸水で設置が間に合わなかったとしている。2人がかりでも運ぶのが難しい重さだという。

 一方、止水板については、短時間での浸水だったため、運転者への注意喚起をする余裕なく始動させれば、逆に駐車場から出られなくなったのではないかとの声や、地下駐車場に浸水しなかった場合は、周辺の商店街や住宅地の浸水がもっとひどい状況になったのではないかとの声もあり、一筋縄ではいかない状況になっている。

 この日の管理会社や国の機関の発表では、今後の車両搬出に向け、ディア四日市が車の所有者を特定して車内の物品を運び出してもらうことなどの連絡をしているという。問い合わせなどは、くすの木パーキングのホームページに掲載するという。また、今後の大雨の時の対応手順や雨水の流入防止について国土交通省が四日市市、民間事業者らと連携して有識者委員会を設置し、検討することも明らかにされている。

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