大きな浸水被害があった三重県四日市市の地下駐車場「くすの木パーキング」で9月22日、所有者による車両確認が始まった。記録的大雨が降った12日から10日目にして愛車と対面したものの、ドアロックが開かなくて、車内の荷物を取り出せない人もいた。車両確認はひとまず24日までの3日間行うという。
車両確認は午前10時ごろから始まり、近鉄四日市駅前と国道1号に近い2カ所の出入口を使い、所有者らは管理会社の社員や警備員らの案内で地下に入った。自動車保険の担当者と話す時のためか、自らのスマホで愛車の写真を撮っていたが、どの車も泥がかわいて真っ白になった状態だ。
市内の男性(80)は、昨年4月に買ったばかりの新車が水没したという。車検証とゴルフバッグをとりあえず出したいと思っていたそうだが、ドアが電子キーでも内蔵の手動キーでも開かなくて取り出せなかったと話した。ほかにもドアが開けられなかったと話す人はいた。
年配の女性は、ドアは開いたが車内は濡れていたという。口紅などの入った小物入れや、「車の処分で必要だから」と車検証だけを取り出した。車両の搬出予定などについての説明はなかったという。
駐車場を管理している株式会社ディア四日市の発表(午後3時現在)によると、確認できた台数は午前47台、午後41台。所有者ら計122人が入って確認したという。浸水した車両274台のうち254台まで所有者が確認でき、252台の所有者と連絡が取れたという。