43回目を迎えた四日市公害犠牲者の合同慰霊祭が9月27日、三重県四日市市の市営北大谷霊園内にある慰霊碑前で行われた。今年も約100人が集まり、供花などをし、公害の教訓を未来へ語り継ぐことを誓った。
合同慰霊祭は2014年からは四日市公害患者と家族の会(谷田輝子代表)と四日市市が共催して開いている。全員で黙とうをしたあと、昨年の慰霊祭後に亡くなった公害認定患者15人のうち、希望する9人を合祀した計1128人の合祀者名簿を谷田さんが慰霊碑前に供えた。生存する公害認定患者は8月末現在で262人になったという。
市内の小中学生5人が花束を供えた。四日市公害のことは学校でも勉強しており、「私たちも何かお手伝いを」と谷田さんに言ってくれたという。本城颯真さん(常磐中1年)、松浦佑亮さん(内部小5年)、森内結菜さん(暁中1年)、森内彩菜さん(羽津北小5年)、森内颯大さん(同1年)が一緒に花束を供え、深く頭を下げた。
森智広市長は追悼の言葉で「四日市公害は深い傷を残し、苦しみは今も続いている。未来に向けて語り継いでいかなければいけない。地球温暖化への取り組みなど、環境を大切にする社会づくりを進めます」と述べた。来賓として出席した一見勝之知事も「多くの犠牲のもと、今は青空が戻っているが、教訓を生かし、環境の大切さを伝えることにいっそう努力する」などと話した。
出席者はひとりずつ花を慰霊碑の前に供え、最後に谷田代表がお礼の言葉を述べた。「90歳を過ぎて、この慰霊祭に出席することを目標にして過ごしています。患者や家族のみなさんを代表して、これからもお願いしますと申し上げます」などと話した。
