内部中学21年ぶり全日本吹奏楽コンクールに出場  支援金募る

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【内部中学校吹奏楽部員】

 ついに掴んだ全国への切符――。四日市市立内部中学校(同市波木町)の吹奏楽部が、全日本吹奏楽コンクールに21年ぶり2回目の出場を決めた。あと一歩が届かず苦しみ続けた末に、ついに栄光を手にした。

練習に励む低音楽器の部員



毎年東海大会に出場
 内部中吹奏楽部は毎年、県大会を勝ち抜いて東海大会へと駒を進めてきた。学校行事や地区の文化祭での演奏はもちろん、今年3月には内部川にかかる采女大橋の開通式典でも華を添えた。地域に欠かせない存在として、音楽を届けてきた。
 部員は92人で、コンクールには50人のA編成で臨む。1年生は初心者が多く、最初の文化祭を初舞台としている。裏方を経験した後、先輩の背中を見て少しずつ音を重ねる。
 昨年も一昨年も東海大会で金賞に選ばれたが、全国代表の座は逃した。悔しさを胸に、今年こそ全国への出場権を得ようと練習を重ねてきた。

練習に励むクラリネットの部員


「全国へ行こう」と呼び掛ける3年生

 しかし、「楽しむこと」を大事にする部員もいて、気持ちをひとつにするのは容易ではなかった。8月上旬の県大会で最優秀団体に贈られる朝日新聞社賞を受賞しても「もっとできたはず」という悔いが残った。
 その壁を打ち破ったのは、3年生の決意だった。部長の村山和花さん、副部長の山嵜愛果さん、大矢奏翔さん、さらに総務を務める3年生6人が「全国へ行こう」と声を上げた。

練習に励むサックスとオーボエの部員

「自己ベスト」更新で最高の演奏を
 「お世話になった先輩への恩返しは先輩を超えること」と胸に刻み、仲間を奮い立たせた。そして、8月下旬の東海大会で好成績を収め、10月18日(土)に栃木県宇都宮市で開かれる全国コンクールに出場できる東海地区代表の座を射止めた。
 同部には「自己ベスト」という言葉がある。音程、音色、精度の全てで、自分の限界を更新し続けるという意味だ。50人のうち1人でも気を抜けば、全体の演奏は崩れる。だからこそ、全員が自らのベストを尽くす。それが内部中の流儀だ。
 村山さんら3人は言う。「ここまで来られたのは、先輩や先生方、応援してくれる家族、そして地域のみなさんのおかげ。まだ伸びしろがある。全国では全員が自己ベストを更新し、最高の演奏をしたい」

練習に励むユーホニウムとホルンの部員

支援金募る
 全国コンクール出場には、生徒の2泊分の宿泊の他、バス・トラック・練習会場など、多額の経費がかかりる。市からは半額程度の補助が出まるが、それだけでは賄いきれず、同中では支援を呼びかけている。支援者には、全国大会終了後、報告会として、吹奏楽部のミニ演奏会を開催する予定だ。詳細は同中ホームページ(https://www.yokkaichi.ed.jp/~utubechu/cms2/htdocs/index.php?page_id=0)
で。または電話059-320-2088で教頭先生まで。

練習に励む打楽器の部員


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