記録的な豪雨で大規模な浸水被害が起きた三重県四日市市の地下駐車場くすの木パーキングで9月29日、被害車両の搬出作業が始まった。レッカー車を駐車場の出口から後退で入れ、1台ずつ地上へ引き揚げる時間のかかる作業となっている。地下に残された車両は計274台で、作業期間は1週間から10日をめどにしているという。(データ更新あり)
搬出作業は国道1号よりも東側、四日市市総合会館前にある駐車場の出口で午前10時ごろに始まった。レッカー車は2台用意され、1台が出口の下り坂を後退で降りて駐車場内に入り、しばらくして、白いワゴンタイプの乗用車を引いて出口から現れた。9月12日の雨以来17日ぶりの地上だ。
駐車場を管理する株式会社ディア四日市によると、初日の作業で搬出したのは2台で、今後の搬出の支障になりそうな通路をふさいでいる車両の整理に力を注いだという。レッカー車は県外へも打診して確保に努めるなど、10月1日から搬出を本格化させる計画だという。浸水後の地下駐車場では車内や車の装備に盗難があった可能性が指摘されているため、搬出後の一時保管の場所については公表しないとしている。
一方、日本共産党の国、県、市の議員は9月29日に水害被害の調査をし、本村伸子衆議院議員、吉田あやか県議、村上暁市議、太田紀子市議が記者会見した。くすの木パーキングのほか、商店街などの被害も事業主から聞いて回ったという。事業者や住宅に被害があった市民への補助制度など支援について、国、県、市それぞれのレベルで求めていくという。