三重県四日市市は10月2日、地域の人の相談役になっている民生委員の活動を手伝う民生委員協力員(エリアパートナーズ)に、四日市看護医療大学の学生91人を委嘱した。民生委員と活動を共にしてもらい、地域福祉への関心を深めてもらおうという初の試みで、これだけの規模の学生に協力員を任せることを含め、全国でもほとんど例がないという。
学生代表に委嘱状
委嘱式は同市萱生町の大学であり、市川和彦・市健康福祉部長が学生の代表、石崎妃南さん(1年)に委嘱状を手渡した。市川部長は「民生委員は地域のセーフティーネットともいえる存在です」と話し、啓発活動などへの参加もお願いした。石﨑さんは式後のインタビューに「これからの活動で子どもや高齢者とお会いして、自分の成長にもつながると期待しています」と話した。
柴田学長「意欲的な参加」とほめる
式では柴田英治学長もあいさつし、ボランティアの民生委員活動は日本だけとみられ、世界に誇れる活動だと紹介。「協力員への希望者がこんなに多くて驚いたが、意味のある活動に意欲的に参加してくれた。大学の講義では学べないことも多いはずで、しっかり学んでほしい」と声をかけた。
地域福祉を支える役割担う
学生たちは子育てサロン、認知症カフェ、子ども食堂などの地域での活動に民生委員とともに参加したりする予定。初年度のため、活動期間は2026年1月までだが、この制度は来年度以降も継続していく予定でいる。
民生委員協力員は地域の民生委員・児童委員の活動を補佐し、地域福祉の向上を図るボランティアで、守秘義務もあり、民生委員とともに地域福祉を支える重要な役割を担っているとされる。