三重県の四日市市議会は10月6日、今議会の最終日で、上程議案や人事案件などの審議のあと、当初の予定にはなかった大雨被害に関する質疑をした。森智広市長が9月12日から13日にかけての大雨について、市の取り組み状況を報告した。議会側は各会派1人ずつが質問に立ち、浸水被害が起きた原因、被害を受けた人への支援、今後の備えのあり方などについて質問した。
中央通り再編は浸水に影響したか
市議からは、「市民から、中央通りの再開発が影響したのではないか」との指摘があると質問があり、市側は、作業用通路から地下に水が入ったことも考えられるが、土嚢もあり、ポンプも動いていた中で、想定以上の雨が降ったためとみられ、国の設けた検討委員会での究明を待ちたいと回答した。
中央通り再編の全体計画は遅れないように
一方で、中央通り再編そのものへの影響は、東行き車線の南側への集約は10月15日をめざしていたが、10月22日にするなど、若干、遅れが出るが、計画全体としては遅れることのないようにしたいと回答した。自動車の浸水についての見舞金などはないが、今後、止水版の設置などに補助制度を設けられるか検討したいとの答弁があった。
くすの木パーキングの浸水は約5万トンか
やりとりの中で、市側は、当日の大雨で「くすの木パーキング」の地下には約5万トンの水がたまったと見られると答弁した。これは中心市街地周辺の4つの貯留管の約6万トン余に近く、市議からは、もし、くすの木パーキングが浸水していなければ、市街地の被害はもっと大きくなった可能性があり、中心市街地に人を集めようとする今の進め方でいいのか、図書館や大学を含めて考える必要があるとの指摘もあった。
11月議会に支援メニューと予算
森市長は、今後の支援メニューについて、「11月議会には予算を計上し、ある程度のパッケージを示したい」などと回答した。地下駐車場については「市にとって必要な施設であり、1日も早く取り戻したい」と話した。
市議会はこの日の審議で決算、予算など25議案を可決、人事案件に同意し、塩浜子育てセンターと塩浜児童館移転工事の工事請負契約案や教育、防災などの意見書案を可決した。
市議会から決算審議を通して予算編成への提言
また、今議会での決算審議を通して来年度の予算編成に求める内容を5項目の提言にまとめ、森市長に提出した。①民生委員・児童委員のなり手不足解消に向けた再検討②待機児童の解決に向けたさらなる取り組みについて③現図書館が最後まで市民に親しまれる施設であるための予算の確保について④地域マネージャーの持続的な人材確保と連携体制の構築について⑤治水対策全般について、の各内容になっている。
