三重県四日市市の四日市大学は、国の支援事業の採択を受けて進めていた、環境情報学部を理系学部へと改組する計画について、中止を発表した。ホームページでも説明している。専門分野の教員の確保、施設整備の費用など、現状では課題が多いと判断したという。
国の支援事業での学部の理系転換は中止するものの、「グリーン&デジタル人材の育成」の目標は維持し、今後もカリキュラムの内容や教育体制について検討を続けるという。詳細な決定事項や今後の教育方針については、あらためて大学のウェブサイトでお知らせするとしている。
四日市大学は、四日市市では高度先端技術開発などの必要性から、グリーン&デジタル人材の供給が期待されているとして、より理系に特化した「環境情報工学部」を2027年度に新設し、入学定員100人、収容定員400人とするデータサイエンス教育を基盤とし、グリーンデジタル領域の専門的な教育を行うことを目標に掲げていた。
2022年度からの「フェーズ1」と呼ばれる検討は今年度が認可申請に向けての最終年度になっており、学内での検討の末、中止を決め、同申請などの次のフェーズに進まないことを国へも伝えたという。
大学によると、情報系の専門教員の確保は獲得競争が激しくなっているほか、「理系は難しい」との一般的な印象の中で学生が確保できるのかも課題になると見込まれるという。施設整備などへの学校法人での資金確保も課題があると判断されたという。