フランス帰りの22歳料理人 鈴鹿の2日間限定店舗で腕前披露 四日市出身の佐藤颯真さん

【熱心に料理に励む佐藤さん】


 幼い頃から食べることが好きだった三重県四日市市出身の佐藤颯真さん(22)。高校時代から料理人を志し、1年間のフランス留学で身につけた技術を11月8日(土)と9日(日)、鈴鹿市の「オサカナ喫茶イエローテイル」で披露する。

笑顔でポップアップについて語る佐藤さん


料理人への道──「料理界の東大」へ

 両親が鈴鹿市で美容院を営んでいた佐藤さん。母の帰りが遅い日は、自ら夕食を作るようになり、家族に「美味しい」と喜ばれることが嬉しかったという。料理人になりたいという思いから、調理の授業がある四日市市の大橋学園高校へ進学。卒業後は、より高い技術を求めて「料理界の東大」とも称される辻調理師専門学校へ進んだ。


フランス料理との出会い──「ソースが料理の骨格」

 実習を通じて、日本料理が素材の味を最小限の手間で引き出すのに対し、西洋料理は素材を組み合わせ、時間をかけて深みを生み出すことを実感。中でもフランス料理は、ソースが味の骨格を担う「ソース料理」と呼ばれ、作り手の腕が試される世界だと感じた。

留学時の写真下から2列目右端が佐藤さん=佐藤さん提供


三ツ星レストランでの修業──「料理に集中するしかなかった」

 卒業後、「一流になりたい」とフランス留学を決意。言葉も文化も違う中、「行けば何とかなる」と海を渡った。赴任先は山間部の三ツ星レストラン。街に出るにはタクシーで数万円、近くにコンビニもない環境。朝5時にハーブを摘みに出かけ、夜12時まで働き、帰宅後はフランス語の勉強と料理の復習。ベッドに入るのは午前2時。体調を崩しても薬を飲んで働く仲間の姿に、甘えは消えた。

 言葉が分からず叱られることも多かったが、「改善点を教えてもらっている」と前向きに受け止めた。日本ではパワハラと捉えられかねない厳しさも、フランスでは技術を磨くための指導。料理に集中するしかない環境で、半年ほどで言葉も理解できるようになった。

ポップアップのフライヤー


地元での初披露──「気軽に楽しめるフレンチを」

 今年8月末に帰国後、大阪や名古屋のレストランでポップアップ(期間限定店舗)営業を経験。客層に合わせてメニューを考える中で、今回の「イエローテイル」では、老若男女が楽しめるよう、ご飯に合うお膳仕立てのフランス料理を提供する。ポップアップのメニューなど詳細は「みんな大好き四日市市の情報満載WEBマガジン!みなすき四日市」【鈴鹿市】オサカナ喫茶イエローテイル フランス帰りの若きシェフが贈る2日間限定の特別メニュー 開催日:11月8日(土)・9日(日) – MinaSuki Yokkaichiで、情報発信している。

 ポップアップ終了後は東京のレストランで働く予定。将来は北海道で自分の店を開くのが夢だという。「地元で料理を出す機会は当分ないと思うので、張り切っています」と笑顔を見せる。佐藤さんはこう語る。

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