文化財は宝物、みんなで火災から守ろう、四日市の垂坂山観音寺で消防訓練

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【北消防署や消防団による一斉放水の訓練=四日市市垂坂町】

 大切な文化財を火災や震災から守ろうと、三重県四日市市の天台宗垂坂山観音寺で1月20日、市消防本部と地域の人が協力して消防訓練をした。文化財を持ち出す避難や、本部と消防団との一斉放水で連携を確認した。

 1月26日の第72回文化財防火デーを前にした訓練で、寺の関係者や地域の人、市消防本部、市北消防署、地元消防団(大矢知分団)など約40人が参加、車両4台が投入された。

 寺には、南北朝時代の作で国の重要文化財に指定されている木造慈恵大師坐像などの文化財が数点ある。訓練では地域の人が「宝物」と書いた箱を坐像に見立て、大事に抱えて本堂から避難することや、本堂内での初期消火の手順を確認。最後は境内で一斉放水をして訓練を締めくくった。

文化財を火災から守るために運び出す地域の人ら
放水用のホースを手に山門へ上がる消防団の人たち

 訓練のあと、市北消防署の水野義隆署長が講評し、「通報や初期消火など、実際はマニュアル通りに行うのは難しいと思いますが、日ごろから訓練を重ねることで、いざという場合に大事な文化財を守ってください」と話した。吉田眞圓住職もあいさつし、「この寺では、過去、織田信長の焼き討ちがあった時に地域の人が宝物を避難させた歴史があります。災難がいつ起きるか分からないですが、いざという場合に備えたいと思います」などと話した。

 寺の資料によると、垂坂山観音寺は、日本のおみくじの元祖で「元三大師」とも呼ばれた平安時代の高僧良源を本尊としている。寺には国の重要文化財に指定された木造慈恵大師坐像のほかにも、木造薬師如来立像(県指定文化財、平安時代後期)、木造誕生釈迦仏(同、鎌倉時代)、仏涅槃図(同、室町時代)などの文化財がある。

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