三重県四日市市のJR四日市駅前に新大学を設置する構想について、四日市市と三重大学による四日市キャンパス設置検討会が10月9日、市役所であり、今年6月のシンポジウムで発表した「四日市産業共創大学群構想」を4つの柱でまとめた内容で合意の方向を得た。
今後、この内容を市民や企業に分かりやすく伝える文章化や、昨年12月に両者の話し合いを再開した時点の協定書を、今回の構想を踏まえた新しい内容にしていくことも検討することにした。三重大学は今後、四日市への進出を正式に決めるかどうかの判断を大学内で進めることになるが、四日市市側は新大学の基本計画を策定中で、三重大の判断をできるだけ早く得たい考えだ。
この日話し合われた「四日市産業共創大学群構想」の内容では①全体概要とビジョン②設置目的と主な機能③人材育成の基本方針④実践的学びと企業連携の方針、の4つの柱が示された。①では、大学を核として行政や企業などの多様なプレイヤーがデジタル・データを活用し、地域経済・地域コミュニティーを活性化させる「地域産業エコシステム」を形成する、新しい都市型ものづくり大学群と表現し、北勢地域の産業構造そのものを教育・研究資源とし、企業・行政・市民と日常的に結びつき、互いの知見を共有して学び合うハブとなることを目指す姿とした。
設置目的と機能を定義した②では、従来の「大学が学びを提供し、企業が就職先となる」一方向の関係を超え、産業イノベーション・研究開発機能、企業サテライトラボや高度な試作・解析環境の整備、素材・半導体・情報等を横断する実践的工学人材の養成(製造業イノベーション・スキル拠点)、社会人の学び直しや次世代向けSTEAM(科学、技術、工学、芸術・リベラルアーツ、数学)教育の推進(多世代人材育成機能)、地域課題の解決や新プロジェクトを生み出すオープン共創空間の提供(地域共創機能)、の機能を備えた「産業と市民のプラットフォーム」を構築するとした。
人材養成などの③では、地域の誰もがそれぞれのライフステージや役割に応じて学び続け、成長できる「人材養成の縦軸」を形成するとした。若者を地域で育て、企業の技術革新を支え、行政職員の政策形成力を向上させ、市民の学びと地域参画を促進するなどの効果から、世代や組織の枠を超えた共創を通じて、知識・経験・人材が循環する「ものづくり人材循環拠点」を実現し、持続可能な地域産業と社会の発展を牽引するとした。
最後の④では、地域の産業課題を通じて、諸産業で求められる分野横断的な知識や課題解決力を身につけるとして、「共創パートナー」としての企業連携は、単なる就職先・共同研究先にとどまらず、経営者、マネジメント層、大企業・中小企業関係者、工場長、熟練技能者など、現場を支える人材と教育研究を共に創るとした。実践的な共創プロセスとして、学生(四日市公立大学、三重大学)、企業人、行政職員、教員が混ざり合う、現実の課題群に共に取り組み、解決策を考え、実践する力を養う、を記した。
検討会では、これらの内容を分かりやすく市民や企業に伝えていくための文章化などが必要との判断になり、作業を進めることにした。
一方、検討会後の説明で、四日市市が中心になって設置しようとしている公立大学については、市が北勢地域の5市5町に説明をし、情報交換や話し合いのテーブルとなる協議体を10月中に設置すべく準備していることが明らかにされた。市は、三重県にもオブザーバー的な立場でも参画を得たい考えだ。















