「自分で限界決めず挑戦を」 四日市で聖火リレーに参加

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青木健太さん

 高校時代、柔道の練習中に頸椎を損傷し、首から下の自由を失った四日市市在住の会社員、青木健太さん (25)が、4月8日(水)に市内を通る東京五輪の聖火リレーに公募枠ランナーとして参加する。塞ぎがちだった時期もあったが、障がいのある人も取り組める球技「ボッチャ」に熱中し、自身が走る姿で周りの人たちを勇気づけたいと、期待に胸を膨らませている。【聖火リレーへの思いを語る青木さん(左)と加藤さん=四日市市西日野町で】

 2年間の入院生活の後、在宅でできる仕事に就き、今は訪問介護サービスを受けて一人暮らしをしている。青木さんの入浴介助を担当し、意気投合した加藤亮太さん(26)はボッチャの介助も務め、聖火リレーも一緒に走る予定だ。加藤さんとの出会いのおかげで「ボッチャでパラリンピック出場」という具体的な目標を持つようになった。


 一方で、不自由さも感じている。仕事で鉄道を利用する際、近鉄四日市駅はエレベーターの幅が狭く、大型の電動車いすが入らないといい、地元のバリアフリー化の遅れも痛感しているそうだ。
 
 大勢の人から温かい言葉をかけられ、聖火ランナーに決まったうれしさに加え、「残された機能で挑戦する人がいると知ってもらえることもうれしい」という。「支えてくれる人たちに、感謝の気持ちを込めて走る。聖火リレーを見た人が自分で限界を決めず、いろいろなことに挑戦してくれたら」と語った。
 
 三重県の聖火リレーは四日市からスタート。 8日午前9時15分に四日市公害と環境未来館(同市安島)を出発し、市役所(諏訪町)へと向かう。

(2020年3月14日発行 YOUよっかいち第181号掲載)