【ピンクリボン月間】 「がん検診の重要性知って」

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市立四日市病院形成外科医 梶原愛莉砂さん

 8月末に開かれた、社会に貢献する魅力ある女性の活躍機会創出を目的としたコンテスト「ビューティージャパン」全国大会で、市立四日市病院(四日市市芝田)に勤務する形成外科医の梶原愛莉砂さん(32)がキャリア部門グランプリに輝いた。審査の際には、自身が関わる乳房再建手術やがん検診受診の重要性についてプレゼンテーションを行い、「がん検診をもっと身近にしたい」と思いを語った。【がん検診について語る梶原さん】

 15歳の時、父をがんで亡くした。忙しさから受診が遅れ、2年間の闘病の末に力尽きたという。抗がん剤の副作用に苦しみ、終末期には意識が朦朧(ルビ・もうろう)として会話ができない父の姿も目の当たりにした。この経験から自分と同じ想いをする家族を減らしたいと、医師を志した。

 形成外科医として「それまでの日常生活に近づいてもらえたら」と考える。他科の医師と連携し、新聞・ラジオなどのメディアを通したがん治療の啓発に取り組み、市民・企業向けの講演会などで講師も務めている。

 同コンテストは、キャリア、文化、ファッションなど全7部門がある。梶原さんは今春、「検診受診を訴える活動を注目してもらえるきっかけに」と、自身の経験や思いを伝えるため応募した。5歳と2歳の2児の母として仕事と育児をこなしながら、母や夫の協力も得て6月の東海大会に臨み、キャリア部門のグランプリを獲得して全国大会へと進んだ。

 「病院は子連れでも受診できるようサポートしているので、忙しくても自分の体を大事にする時間を取り、病院へ行ってほしい。自分を守ることが、大切な人やキャリアを守ることにつながる」と改めて思いを語った。

【ビューティジャパン大会時の梶原さん(中央、提供写真)】

2020年10月10日発行 YOUよっかいち第188号掲載