白ネギの一生を見届ける 内田一哉さん

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 真っ直ぐで艶のある白ネギを育てる菰野町池底の内田一哉さん(49)。シャキシャキの食感がありながらも柔らかく、甘味もあり、食卓に並ぶと、「主役級」の存在感を放つと評判だ。
 東海農政局の職員だった内田さんは、41歳の時退職。兼業農家の両親の農作業を手伝いながら、白ネギを作り始めた。図書館で農業の本を読み「自分でもできる」と惑じて始めたが、初心者の内田さんには重労働で、手間のかかる野菜だった。大切に育てたネギが雪の重みで折れると、「気持ちも折れてしまった」という。
 白ネギは土を被せて日光を遮断することが必要だが、士を耕すことから始まる。内田さんは手押しの耕運機で土を見ながら丁寧に作業をする。できるだけネギに負担をかけないよう軟らかい土にして、毛布を掛けるような気持ちを込めるそうだ。

白ネギ料理も

 JAに出荷するが、収穫後すぐに皮を剥き、適度な大きさに切る。袋に詰めるなど出荷調整の作業には手間がかかる。家族が手伝ってくれることもあるが、出荷の最盛期11月から2月まで、朝から夜9時まで働く。栽培を辞めたくなるときもあるが、収穫した白ネギをもつ鍋にして、ビールを飲むのが楽しみで、「また今年も頑張ろう」という気持ちになるそうだ。白ネギ料理にも詳しく栽培から食べ方まで、ネギの一生を見届けている。

*白ネギを使ったレシピ紹介*