【2/22は猫の日】 ペットとの暮らし 獣医師に聞く大切なこと

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 犬や猫といったペットと暮らすことは、さまざまな幸せをもたらしてくれます。日々の生活の中で今、改めて大事なことを考えてみてはいかがでしょうか?四日市市中川原の「コマ動物病院」の獣医師、駒田瞬太郎院長(31)にペットと過ごすために大切なことなどを聞きました。

ペットを飼っている人、これから飼うという人に、大事にすべき心構えはどのようなものがありますか?

 まず、衝動飼いをしないこと。20年生きることもありますし、老齢になると介護も必要になるかもしれません。また生き物なので若くして病気になることもあります。ご自分の年齢・体力などを考慮して、飼えるかどうか、あるいは種類を考えてください。また、ペットは飼い主の所有物ではありません。人生を過ごす上での仲間として、相手を尊重して接してください。体力的また知的好奇心、両方を満たすことが大切で、子犬・子猫であればたくさん一緒に遊んでほしいです。「自分で遊んでいるから大丈夫」と思わず、一緒にかくれんぼをしたりして遊ぶなど、遊び方も一緒に過ごす家族として工夫を重ねていくことが大切です。

引っ越しや模様替えなど人の環境の変化には影響を受けやすいのでしょうか?

 はい、お腹の調子が悪くなる子や、トイレを失敗してしまいう子がいます。慣れるまでは時間がかかります。住居の変化で感じるものだけでなく、日常の小さなストレスもなるべく感じないようにしてあげましょう。

病気やケガをした場合に、日ごろから自宅で備えておいた方が良いものはありますか?

 はい、直接の備えではありませんが、日頃から移動などで使うキャリーに入ることに慣れさせるのが大切です。普段から寝床として使う、中に入ったらおやつをあげるなど、ちょっとしたイベントのように楽しむことで、いざけがや病気で病院に行くとき、また災害時の避難のときにも役立ちます。

犬や猫にも人間でいう生活習慣病のようなものはありますか?

 はい、代表的なものは肥満と歯石です。どちらも子犬・子猫のときからの接し方が大事です。特に歯石は万病のもと。歯石には細菌が含まれており、歯茎から中に入り込んで血流に乗ると腎臓や心臓に悪影響を及ぼすこともあります。歯磨きをするためにも、子犬・子猫の時から口を触り慣れさせておくべきです。

 また、生活習慣病ではないですが、野外ではマダニへの注意も必要です。人も危険にさらされるため、リスクが高い場合は予防するべきです。寄生してしまった場合は病院に相談してください。

加齢とともにごはんの種類も変えた方が良いのでしょうか?

 はい。基礎代謝や基礎疾患に合わせたご飯にするため、変えていく必要がある場合がほとんどです。ただし、小さい時に食べ慣れていないものは、年をとっても食べないことが多くあります。子犬・子猫の時からいろんなものを、例えばさまざまなメーカーのフードを試してみることは、将来の備えにもなります。

新型コロナの感染拡大が続いています。犬や猫も感染する可能性はありますか?

 1月の学会で、感染事例の報告がありました。人間ほど重症化することはないようですが、まだ分からない部分も多いのが現状です。

【プロフィール】

獣医師 駒田瞬太郎 鳥取大学獣医学科卒業後、奈良や大阪で勤務。今春コマ動物病院を継承する。日本獣医皮膚科学会会員。JAHA認定総合臨床医。

(2022年2月12日発行 YOUよっかいち第204号掲載)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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