コラム「野菜を食べよう」 自販機でも販売を

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有竹さんちのとまと 有竹 正一さん

 味が濃くて美味しいトマトが自動販売機で買える――。四日市市貝家町の有竹正一さん(35)は、コロナ禍で対面販売に感染リスクを感じる人もいることを受け、自動販売機での販売も始めた。

 曽祖父の代から農業を営む有竹さんは、6年前農業資材の会社を退職し就農。父の政史さん(64)が葉や花を見て、ハウスの換気や水やりをする様子が、感覚的に思えた。父の判断に従うと思ったような収穫ができたため、その温度や湿度を記録し、栽培に臨んでいる。

 有竹さんは土壌を耕さない不耕起栽培で育てる。耕す手間がないが、土壌の中にある水で菌が繁殖し、作物が病気になる可能性が高くなるそうだ。そのため10月から6月までの収穫期が終わると、ハウスを閉め切り高温にして、病害虫を死滅させ、殺菌殺虫する。また、化学農薬の使用を県内の標準的な栽培の48パーセントに抑えている。

 有竹さんが育てるのは「はれぞら」という品種。果肉がしっかりしていてフルーツに近い味が特徴。地元スーパーの店頭に「有竹さんちのとまと」として並ぶ。倉庫で直売もしているが、非接触型の販売をしようと、1キロ強のトマトのパックを500円で販売する自動販売機を設置した。有竹さんは「味が濃く美味しいトマトを食べてほしい」と笑顔で語った。

※2022年3月12日発行 205号紙面から

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