市指定文化財「旧四郷村役場」 寄付金募るプロジェクト実施 四日市市

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 四日市市は現在、耐震補強や復元修理工事を行っている同市西日野の市指定文化財「旧四郷村役場」の保存整備事業について、市内外に向けて寄付金を募集するプロジェクト「築100年の大正モダンな旧村役場を、次の100年に継承したい!」を実施すると発表した。【棟札の写真を手にプロジェクトについて説明する森市長=四日市市役所で】

 旧四郷村役場では、2021年10月から耐震補強などの工事をしていて、23年度のリニューアルオープンを目指している。展望専用の塔屋や階段に残る当時の敷物、重りでバランスをとる上げ下げ窓など建造物の歴史を伝える現物を展示する整備費用を対象に、広く寄付を募るという。

 「四日市の貴重な文化財を残し、市民の皆様の文化財への機運を醸成したい」と森智広市長。市外へは、シティプロモーションの観点から、四日市市の歴史文化の奥深さや文化を大切にするまちとしてアピールするという目的があるそうだ。
 
 寄付金は市民向けと市外の人向けがある。四日市市民は市ホームページからダウンロードできる寄付申出書に必要事項を記入し、四日市市役所9階の文化課へ持参、郵送(〒510-8601 四日市市 文化課 宛」、ファクス(059・354・4873)、Eメールbunka@city.yokkaichi.mie.jpなどで提出。文化課から納付書が郵送され、金融機関で寄付金を納入する。市民向けの募集期間は9月22日(木)から12月28日(水)まで。

 市民からの寄付に関しては、5千円以上の寄付をした人には「令和の大修理記念棟札」に名前を記入し、屋根裏などの建物内部に100年間保存するという。また、意向を確認した上でホームページ上に名前を掲示する。

 市外の人に向けては、ふるさと納税制度を活用した「ガバメントクラウドファンディング」で寄付金を募る。募集サイトは「ふるさとチョイス」(https://www.furusato-tax.jp/)で募集期間は9月22日(木)から12月31日(土)の101日間。目標金額は100万円で、返礼品は寄付の金額に応じて、特別見学会への参加や棟札への名前掲示などがある。

 市内外ともに2千円以上の寄付した場合は、基本的に2千円を超える部分で確定申告をすることで、税金が控除されるという。