70歳前後のおやじが熱気あふれるエレキサウンドを聴かせるバンド「ヴァンガーズ」が、12月4日の演奏会に向けて練習を重ねている。ベンチャーズやグループサウンズ、昭和歌謡など、音色や雰囲気もそのままに聴かせる実力派だ。コロナ禍で練習自粛も繰り返してきたが、「やれるときにやろうじゃないか」と再び活動を本格化させようとしている。【練習で雰囲気そのままのエレキサウンドを響かせるヴァンガーズのみなさん=四日市市富田栄町】
三重県四日市市の近鉄富田駅から西へ、かつての喫茶店「オールウェイズ」で毎週土曜日午後、メンバー7人が集まって練習を始める。同世代の人ならすぐ分かるリバーブ(残響)の効いたギターの音。ベンチャーズのサウンドはまさにそのもの。加山雄三の曲も、当時の雰囲気が伝わってくる。
メンバーは、リードギターが「マスター」松岡賢次さん(74)と「ケンちゃん」鬼頭賢治さん(68)、セカンドギターが「よこちゃん」横田裕史さん(72)、ベースは「ひろし」松岡博さん(72)、ドラムが「しょうさん」松岡生烈さん(73)。キーボードとボーカル、トランペットまで吹く「マイちゃん」伊藤麻衣さんと、MC・ボーカルの「まりちゃん」内田麻理子さんの女性2人(年齢は非公開)が、おやじバンドのむさくるしさを華やかに包んで消している。7人の住まいは四日市市、桑名市、菰野町に広がっている。
「オールウェイズ」の主人だった「マスター」と高校時代のバンド仲間だった「ひろし」「しょうさん」「よこちゃん」の4人が、7年ほど前、高校当時のバンド名「ヴァンガーズ(先駆者たち)」で活動を始め、女性ボーカルを募集して「まりちゃん」が加わり、「マイちゃん」「ケンちゃん」も加わって2020年に今の姿になった。
定年まで演奏活動から離れていた人も多く、「よこちゃん」は「最初は弦を指で押さえるのがやっとだった」と話す。コロナ禍になる前は出演依頼も多く、喫茶店のライブや地域のイベント、施設慰問など、月1~2回のペースで演奏した時期もあったという。世間の自粛の動きに合わせて練習を数か月休んだこともあったが、ここにきて旅行や行事が全国で動き出しており、「自分たちの年齢のことを考えると、やれるときにはやろうと考えるようになった」という。
12月4日の演奏会は三重県朝日町小向のビジネスホテルにあるレストラン「スカイバースデー」で。正午開演で約2時間の演奏をする。100曲以上になったレパートリーからどんな内容になるかは、お楽しみ。弁当とドリンク付きで入場料2000円。なお、イベントなどの出演依頼があればできるだけ応じるという。問い合わせは練習場を訪ねるか、電話059・365・7282へ。