年間参加者2000人を突破、吉崎海岸で今年最後の早朝清掃

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 アカウミガメの産卵記録がある三重県四日市市楠町の吉崎海岸で12月4日、今年最後の毎月第一日曜日の早朝清掃が開かれた。環境に対する関心の高まりもあり、家族連れや研修中の外国人を含む150人を超す人たちが参加。今年1月からの年間参加者は過去最多の2300人近くになった。【海岸のごみを拾う参加者たち=四日市市楠町吉崎】

 楠地区まちづくり検討委員会が主催し、四日市ウミガメ保存会が共催して開いている。この日は、ごみは少なめだったものの、9月に押し寄せたという流木が目立ち、小さい木片などは集めて海岸で焼き、大きい流木は集めて、業者に回収してもらうことが作業の中心になった。(海岸に残る流木)

 たまたま、JICA(国際協力機構)のプログラムで四日市のICETT(国際環境技術移転センター)で研修しているASEAN(東南アジア諸国連合)諸国の12人も参加した。それぞれの国で海の環境について取り組んでいる政府職員らで、日本の活動を体験することにしたという。また、かつては環境と企業活動が対立して考えられがちだったが、最近はSDGs(持続可能な開発目標)の浸透もあって、企業からのまとまった人数での参加も普通になっているという。(小さい流木は焼きながら作業をする参加者)

 毎回、清掃のあとは勉強会などを開いており、この日は日本野鳥の会の会員の案内でカモメとカモの観察をした。次回は2023年1月1日。午前6時45分に集合し、初日の出を拝んでから清掃、凧揚げなどをする。ぜんざいや豚汁のふるまいもあるという。

 吉崎海岸では2014年7月に127個のアカウミガメの産卵が記録されている。毎月第一日曜日(通常は午前8時から)の清掃奉仕は2009年から本格的に始まっており、ここ数年は毎年、1000人を超す参加者があるという。