「新版画」川瀬巴水の作品展、パラミタミュージアムで開催中、平日も多くの入場者

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 「パラミタミュージアム開館20周年 川瀬巴水 旅と郷愁の風景」展が、3月28日まで菰野町大羽根園松ケ枝町の同ミュージアムで開催中だ。明治から昭和にかけて「新版画」を確立した1人で、海外でも人気の高い巴水の代表的な作品を展示している。「新版画」への関心の高まりか、彼が描いた全国各地の風景に魅せられてか、平日にも多くの人が訪れている。【東京二十景「芝増上寺」は人気の高い川瀬巴水の作品=菰野町大羽根園松ケ枝町】

 会場に入ると、川瀬巴水の肖像写真とともに、初期の「塩原三部作」などが並ぶ。新版画の提唱者の渡邊庄三郎と出会い、縦長画面でつくられた。会場いっぱいに並ぶ近代風景版画の第一人者とも評される巴水の作品は、全国の名所を描いており、三重県でも、朝日に染まる二見ケ浦などを描いている。(塩原三部作と、奥に川瀬巴水の肖像写真)

 東京の風景を、四角の紙に円形の枠を設け、その中に配置するという意匠で見せた「東京十二ケ月」は、未完のままで終了したという。名所とはいえない風景も描いており、作家としての意欲を感じさせたと評される。(「東京十二ケ月」の作品)

 海外では北斎、広重と並び称され、頭文字から「3H」とも呼ばれた川瀬巴水。アップルコンピューターの共同創業者スティーブ・ジョブ氏も影響を受け、熱心な愛好家だったという。会場には、スティーブ・ジョブ氏と巴水の作品をまとめたコーナーもあり、1984年に初めて「マッキントッシュ」を発表した時の最初の画面に映し出されたのは、川瀬巴水の作品ではないものの、同じ「新版画」の作家、橋口五葉の「髪梳ける女」だったと紹介されている。(左が橋口五葉の「髪梳ける女」)

 入場料は一般1000円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。関連イベントとして、2月19日に渡邊木版美術画舗代表取締役の渡邊章一郎氏による記念講演会「川瀬巴水と新版画」がある。3月5日にはパラミタコンサートがあり、宮崎愛理さん(サクソフォン)と的場麻理子さん(ピアノ)が演奏する。いずれも午後2時からで、それぞれ、当日午後1時から整理券を配布する。