大型EVバスを災害時に活用へ、三岐鉄道と四日市市が協定締結

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 4月から運行される三岐鉄道のEV(電気自動車)バスを、災害時の電力供給源として活用し、被災者の輸送にも役立てようと、3月30日、同社と四日市市が協定を締結した。長さ10.5メートルの大型EVバス「K8」が路線で走るのは東海地方でも初めてといい、「災害時、少しでも安心、安全を」と、運行に先立つ協定の締結になった。【運行が始まる大型EVバスの「サンサンエレビー」=四日市市役所】

 「災害時における電力供給等に関する協定」の締結式は、四日市市役所で行われ、森智広市長と渡邉一陽社長が署名を交わした。このあと、庁舎東の広場で、「サンサンエレビー」の愛称をもつ大型EVバスの披露と、電化製品を使った電力供給の実演が行われた。バスの名前の「サン」には太陽(SUN)や三岐鉄道の意味、エレビーはEVの読み替えでもあり、親しみのある愛称にしたという。(協定書を手にする渡邉一陽社長(右)と森智広市長)

 渡邉社長は「市が進める、防災、減災に参画させて頂くことは光栄です。災害になると電源は大きな課題になりますが、少しでも安心、安全につながればと思います」などとあいさつした。森市長は「避難所に対する市民の要望は高くなっており、なかでも電力は非常に重要です」と今回の協力に感謝を述べた。

 大型EVバスK8のバッテリーは287kwh。スマートホンなら26747台分、液晶テレビで約176日分などのパワーがあり、おおむね、4人家族1週間分の電気をまかなえるという。また、座席で36人、最大75人が乗れる大きさのため、災害時に被災者を避難所へ一度に運ぶことも可能だという。(電化製品に電気を供給する実演)

 三岐鉄道によると、「サンサンエレビー」は4月3日に出発式があり、日中は太陽光パネルなどでつくられた電気を蓄積し、夕方から夜、朝にかけて路線を走る計画だという。

 

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