一般参列多めの80人余が参加、小学生が花束供える、四日市公害犠牲者合同慰霊祭

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 四日市公害犠牲者の合同慰霊祭が9月9日、三重県四日市市の市営北大谷霊園にある慰霊碑前で開かれた。公害を知る世代の高齢化が進み、記憶をどう後世に伝えるかが課題だが、今年は一般参列が多めの80余人が参加し、お手伝いを申し出た小学生が花を供える役割を務めるなど、未来への希望も感じられた式典になった。【慰霊碑に花を供える小﨑実来さん=四日市市松本】

 合同慰霊祭は今回で41回目。2014年からは「四日市公害患者と家族の会」(谷田輝子代表)と四日市市の共催で開いている。参加者全員で黙とうをし、谷田代表が合祀者名簿を慰霊碑前に置いた。8月末現在で、四日市ぜんそくの認定患者は285人。この1年に9人が亡くなったといい、合祀を望まない2人を除く7人をあらたに名簿に含めた。合祀の人数は1113人になった。(黙とうする参列者。右から一見勝之知事、森智広市長、谷田輝子代表ら)

 このあと、朝日小学校6年の小﨑実来さんが花束を慰霊碑に供えた。小﨑さんは、公害の「語り部」をしている谷田代表の話を聞いて、「私にも何かできることはありますか」とお手伝いを申し出てくれた。今回、花を慰霊碑に供える役割で協力してもらうことになったという。

 森智広市長が、主催者を代表して追悼の言葉を述べた。カーボンニュートラルなど新しい環境課題に取り組んでいる現況を報告し、「四日市公害を風化させず、環境問題に広く発信していく」と市の覚悟を語った。

 昨年に続き参列した一見勝之知事が来賓として追悼の言葉を述べた。公害認定患者で9歳で亡くなった谷田さんの娘の尚子さんは自分と同年代であることなどを語り、「何年たとうと風化させてはならず、二度と公害を起こさないことは私の務め。この慰霊祭にも可能な限り出席するつもりだ」と話した。

 参加者全員が白菊を献花したあと、谷田代表が「公害を忘れないようにしていくのが私たちの務めだと思っています」と、参列のお礼などを語った。式典を終えた参列者たちは、コロナ禍でこれまで遠慮していたという記念写真を4年ぶりに撮影した。(お礼の言葉を述べる谷田輝子代表、久しぶりに撮影した記念写真)