四日市ゆかりの木版画家・立原位貫 美しさと面白さを紹介 四日市市立博物館で特別展はじまる

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 四日市にゆかりのある木版画家・立原位貫(1951-2015)の作品の美しさ、面白さを紹介する特別展「立原位貫~想像力から創造力~」が9月23日から11月5日まで、四日市市安島の市立博物館4階特別展示室で開かれる。【富田地区を流れる十四川沿いの桜をスケッチし制作したという1997年の作品「バードロアー」=四日市市安島】

 同館の開館30周年の記念特別展であり、四日市にゆかりがある画家の足跡をたどりながら、作品の美しさ、面白さに触れてもらおうと企画された。会場は前章からはじまり、第1章から第3章まで、作品の制作した年月の流れに合わせ、展示がされている。

 立原位貫は名古屋市で生まれ、7歳の時に母方の故郷である四日市市富田へ移り住んだ。高校卒業後、ジャズのアルトサックス奏者を目指し上京するも4年後に四日市へ戻った。その際に目にした浮世絵版画の素晴らしさに感激したことが木版画の道へ進むこととなった。

 独学後ながらも、世界的な現代美術家や浮世絵研究者と収集家、伝統的和紙や絵具の職人に教えを請いながら制作に励んだ。1993年以降はオリジナル作品の創作も手掛け、作品を作り出した。2015年7月、病のため64歳で亡くなったが、2019年にイギリス大英博物館にその作品が収蔵され、世界的に評価されつつあるという。

 会場では、91点が紹介され、ゆかりの場所、十四川の桜や鯨船行事を題材にした作品もあり、四日市への思いが込められた作品を見ることもできる。9月22日には報道関係者らを対象にした内覧会が開かれた。同館の担当者は「四日市ゆかりの立原さんを知っていただければ」と話していた。

 観覧料は一般1200円、高・大生600円、中学生以下無料。開館時間は午前10時から午後5時、(入場は午後4時半まで)休館日は月曜で祝日の場合は翌平日。問い合わせは同館TEL059・355・2700へ。

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