現場の状況、救急車から病院へリアルタイム伝送、四日市市消防本部が10月16日から運用開始

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【心電図などのデータを映像で伝送する様子を説明する四日市市消防本部=四日市市役所】

 救急隊員が駆けつけた現場から、傷病者の状態や現場の映像などを病院に送り、受け入れ態勢を早めに準備してもらおうと、三重県の四日市市消防本部は10月16日から「救急映像等伝送システム」の運用を始める。森智広市長が10日の記者会見で発表した。リアルタイムで映像やデータを病院とやりとりするシステムは同県では初の導入という。

 消防本部の説明では、伝送するのは心電図の波形、血圧、脈拍、SPO2(経皮的動脈血酸素飽和度)のほか、呼吸状態、皮膚所見(熱傷等、蕁麻疹)、けがの状態、事故状況など。市消防本部のすべての救急車14台(予備車含む)から、市立四日市病院、三重県立総合医療センター、四日市羽津医療センターに伝送する。市内での救急での搬送は、現在、約9割がこの3病院で対応しているという。

 人見実男消防長は「傷病者の状況などは口で伝えるより、映像で見てもらった方が瞬時に把握できることも多く、医療機関の受け入れもスムースに行くことになる」。森市長は「一刻を争う現場で時間を有効に使って人命を救う。しっかりと運用したい」と話した。

 市消防本部は市立四日市病院と県立総合医療センターで救急救命士が病院で研修を積みながら現場へ出動もする「救急ワークステーション」を活動させており、ふだんから医師や看護師らとコミュニケーションをとっている。今回のシステム導入で、現場と病院の連携がさらに深まることになる。

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